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心臓の左右の心臓を仕切る壁(心中隔)のうち、心房中隔(左心房と右心房を隔てる壁)が欠損している症状のこと。
幼児期で欠損が小さい場合は自然治癒の可能性があるが、そうでない場合、自然治癒は見込めない。
短絡量が少ない場合は特別な治療は不要なこともあるが、多い場合は外科的な手術をする以外、治療の方法はない。
また手術箇所が心臓ということもあり、必ずしも成功できるとは限らない。
人工心肺装置を用い、心臓を止めた後心臓を切開し、穴を直接縫い合わせる外科手術である。
子供の場合は直接縫い閉じることが多いが、穴が大きい場合等には、パッチと呼ばれる人工のあて布を左右の心室の間に当てて縫い合わせることがある。
2〜3週間の入院が必要になる大手術となるほか、胸に10cm程度の切開傷が残ってしまう。
最近ではこれと別に、形状記憶合金(ニッケルとチタン製)の細い針金を傘のように編んだ「閉鎖栓」を使う手術が発明され、日本では2006(平成18)年4月より保険適用となった。
方法は、この栓を折り畳み、直径約3mmのカテーテルに入れ、X線や超音波画像で確認しながら足の付け根より静脈を辿って心臓へ送る。まず左心房で一つめの傘を開き、穴の位置に合わせてもう一つの傘を開いて、二つの傘で穴の周囲を挟んで塞ぐ。
手術は二時間程度で、一週間の入院が必要である。
穴が小さい場合は外科手術より安全であるが、アメリカでは治療後に栓が心臓壁に当たり別の穴が開いて外科手術が必要となった失敗例もある。
日本では安全を期すため手術できる施設に条件があり、2006(平成18)年5月19日現在は次の3施設で手術できる。今後施設は増えるものと見られる。
閉鎖栓が輸入承認された2005(平成17)年3月から2006(平成18)年5月まで、計59人に治療が行なわれた。栓の脱落はなく、全例で経過は良好とされる。
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