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現代医学であるワクチンを否定し、ワクチンに対するデマを流し、代わりとなる効果不明のサプリメントなどを売り、時には祈祷にすがろうと訴えながら寄付金を募るなど人を騙して稼ぐ商売である。今や雇用も生み出し年間40億円もの産業になっているという。
反ワクチンは主としてSNSを中心にデマを広げ、自著を売ったりトークショーなどへの出演料で荒稼ぎしている。時に「巨大な悪に対抗する正義の我々」への寄付金を求める、といったものもあり、これがかなりの収益を上げている。
医師免許を持った開業医が反ワクチン活動をする例もある。高額の相談料から始まり、カモと見るや効果不明のサプリメントを売りつけたりして荒稼ぎしているが、医師は医療の名を借りてさえいればどのような「医療まがい」行為を働いても合法であり罪にならないため、詐欺に騙され死亡する人が多数でており問題化している。
また反ワクチン活動には広めるための人員も必要になることから、要するに工作員の「雇用」も生み出しており、今や反社会産業となっている。
米英が拠点のNGO「デジタルヘイト対抗センター(CCDH)」の調査では、SNSで武漢肺炎ウイルス感染症に反対しうその情報を広げる中心的人物12人は少なくとも計3600万ドル(約40億円)の収益を上げているとしている。
反ワクチンは雇用も生み出し、産業にもなり、こうした反社会的な活動がアメリカにおける根強いワクチン忌避を支えているとされる。
中でも最も収益を上げたのがジョゼフ・マーコラ医師で、721万ドル(約8億円)を稼いだという。自身のサイトで「ワクチンが遺伝システムを破壊する」などと訴えている。
ジョン・F・ケネディ元大統領の甥であるロバート・F・ケネディ・ジュニアも、反ワクチン活動家として294万ドル(約3億2000万円)を稼いだ。
CCDHの調査によると、先の12人はインフルエンサーとして反ワクチン投稿の2/3を作成し、フォロワーは計6,200万人にも上り、計266人の雇用も生んでいるという。またこの活動にともない、巨大IT企業には広告収入などとして11億ドル(約1200億円)の経済的価値をもたらしたとしている。CCDHによれば、こういったデマゴギストにとってSNSが発信や動員、そして資金調達の戦略拠点になっているとしている。
日本では、AERA報道において、鳥海不二夫・東大教授の分析でデマ発信源の大部分は29アカウントが占めるとした。2021(令和3)年1月から7月まで、ワクチンに関する約6,300万件を収集して「デマ」の分析を実施したところ、思想の左右は無関係で、内容は大きく分けて「副反応で死んだことが隠されている」という「副反応系(あるいは陰謀論)」と、「ワクチンなど効かない」というのものが多いとした。
デマに騙されないようにするのは難しいことである。デマゴギストは商売でやっているので、デマがなくなることはなく、誰でもいつかは確実に騙される。ワクチンについても然りである。
大切なのは、自分が騙されたことにきちんと気づくことであり、自分が今まで信じたことが「実は嘘だった」可能性が常にあることを意識することである。そして、騙されたことは仕方がないので、新しい情報が入ってきた時点で「常に考え直す」ことである。情報の更新(アップデート)は、いついかなる時も怠らないことが重要である。
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