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岐阜県飛騨市神岡町(旧 岐阜県吉城郡神岡町)の神岡鉱山地下1000mにある東北大学ニュートリノ科学研究センターのニュートリノ観測施設。超低エネルギー・ニュートリノ・反ニュートリノ望遠鏡。
これは東京大学のニュートリノ観測施設スーパーカミオカンデの前身であるカミオカンデの跡地に建設されたもので、2002(平成14)年1月22日より正式に観測を開始した。カミオカンデシリーズとはまた違った特徴を有している。
これは、直径13メートルの「風船」を利用し、180km離れた場所にある原子力発電所から発生する低エネルギーのニュートリノを観測する施設である。風船の中には液体シンチレータと呼ばれる、ニュートリノと陽子が衝突すると発光する油が満たされている。そして直径50cmの光電子増倍管が約1,879個取り付けられた直径18メートル、体積3,000立方メートルのステンレス製の球形タンクに風船を浮かべる。
まず液体シンチレーターであるが、これはパラフィンオイルのドデカン(C12H26)が80%と、1,2,4-トリメチルベンゼン(C9H12)が20%の混合液体に発光剤のPPOを0.15%溶かし込んだものである。この液体を1000トン、厚さ0.135mmの透明なフィルム製の風船の中に入れている。
この風船は自重を支える力がないため、この風船は関係者がバッファーオイル(緩衝油)と呼んでいるパラフィン油に浮かせている。そして風船はケヴラー繊維で作られた網の中に入れられて補強されている。
そしてまた、ステンレスタンクと洞窟の壁の間には3,000立方メートル(3千トン)の純水で満たされ、完全に水中に沈められている。この中にも250本の光電子増倍管が沈められている。この水のお蔭で岩石から出るγ線がタンク内に入る事を阻止し、かつ、飛んで来るニュートリノを検出することができる。
このような世界最高の様々な特徴により、スーパーカミオカンデより3桁低いエネルギーのニュートリノでも検出することが可能となった。但しスーパーカミオカンデとは違い、原則としてどの方向から来たニュートリノかは検出できない。
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