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分子式NaN3。分子量65.02。CAS番号26628-22-8、ICSC番号0950。融点不明(分解410℃)、沸点不明(分解)。常温では無色の六方晶系の結晶で、無臭。
純粋なナトリウムや窒素の製造や医薬品の原料として利用されている。工業的には、ナトリウムアミド(NaNH3)に亜酸化窒素(N2O)を通して作る。水に難溶で、酸と反応すると毒性の強いアジ化水素を発生させる。これはシアン化水素(青酸)並みの毒性を有する。
毒性があり、毒物及び劇物取締法により毒物指定されている。皮膚や粘膜に対し僅かな刺激性が確認されているほか、経皮吸収があり強い毒性がある。変異原性や発がん性は不明。微生物の増殖を抑える働きがあることから、殺菌剤や防腐剤として古くから利用されている。
また、爆発性があるため車のエアバッグの膨張剤としても利用されていることがある。従って、万が一固まってしまっても、決して金属製の薬匙で砕いたりしてはならない。薬匙で粉末をサラサラ〜なども絶対禁止。
他の毒物と比較してもそれほど毒性は強くないが、人間が摂取すると、頭痛や吐き気、中枢神経麻痺、血圧降下、痙攣などを発症する。地味な薬品ではあるが、たまにポットのお湯に混ぜられていたりするので油断できない。1999(平成11)年に埼玉県で起きたアジ化ナトリウム入りお茶事件は大ニュースとなった。この時のニュース報道では、アジ化ナトリウムの粉末をサラサラ〜とやらかした映像が流れ(爆発はしなかった)、業界関係者の間では違う意味で大ニュースとなった。この事件以降、アジ化ナトリウムは毒物指定された。
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