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日欧共同開発による水星探査計画で、日欧初の大型共同プロジェクトである。日本はJAXAの宇宙科学研究本部(ISAS)が宇宙科学研究所(ISAS)だった頃から関わっており、欧州はESA(欧州宇宙機関)が担当している。
この計画の観測対象である水星は太陽系の第一惑星であり、原始太陽系星雲の最も熱い領域で最後に生成された天体と考えられている。水星は大昔から存在が知られ、水星の観測を通じて科学技術発展に大きく貢献している。
しかしながら太陽に極めて近いために地上の望遠鏡での観測が難しく、現在に至っても水星については僅かしか知られていない。ゆえに古代人すら知っていた水星も、今なお未知の領域で、太陽系の最重要探査対象の一つなのである。
そこでこの日欧水星探査計画ベピ・コロンボ(BepiColombo)では、二つの探査機により水星の磁場・磁気圏・内部・表層について調査観測を行なう。その目的は次の二つである。
一つは固有磁場について調査する。固有磁場を持つ地球型惑星は地球と水星しかない。水星の磁場や磁気圏を観測することは、初めて地球を相対化することを可能とし、惑星の磁場・磁気圏の研究に大きな飛躍をもたらすと考えられる。これが日本のMMO探査機の主目標である。
二つめは中心核の調査である。水星は半径の3/4にもなる巨大中心核があると考えられている。その特異な内部構造と表層を調査することにより、太陽に一番近い領域で起きた惑星形成の秘密に迫る。これが欧州のMPO探査機の主目標である。
ちなみに、BepiColomboという名は、マリナー10号の水星遭遇軌道を提案したイタリアの天体力学者ジュゼッペ・コロンボ氏にちなんでいる。
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