二つの染色体の間で切断と再結合が起こる変化。
染色体の一部分(主に短腕)が切れて、他の染色体に接続するもの。
必要な遺伝情報の途中で切れていない限りは、ゲノム全体として見た場合の情報量に変化がないため症状が無いと考えられているが、転座の結果、重要な遺伝子を欠落する場合は遺伝病を罹患する。また、本人に症状がなくても、その子供には問題が発生する。
染色体の切断部位にあった遺伝子が結合したり短くなったりすることで、細胞の増殖や運動性を高める遺伝子が活発になったり、細胞の増殖や運動性を抑える遺伝子の働きが無くなったり弱まったりすることで細胞はがん化する。
例えば、血液細胞のがんと言われる白血病や悪性リンパ腫では染色体の転移が多く見られる。慢性骨髄性白血病の場合、22番染色体と9番染色体の間での転座がみられる。この場合、22番染色体の長腕の一部が9番染色体の途中に結合されている。この場合はPh1と呼ばれる通常より短い22番染色体が確認できるので診断できる。
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