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心臓の筋肉に、酸素と栄養を送る動脈。心臓を冠のように取り巻くため冠動脈と呼ばれる。冠状動脈ともいう。
右冠動脈と左冠動脈とがあるが、左冠動脈はすぐに前下行枝と回旋枝という二系統に分岐するのが特徴である。
このため臨床においては、右冠動脈と合わせて、冠動脈は3本として扱われる。
実質的に3本ある冠動脈のそれぞれが血液を供給する広さを「支配領域」という。
支配領域の広さは個人差があるが、広い順に、前下行枝、右冠動脈、回旋枝となることが多い。
この支配領域は、冠動脈が詰まった時に生じる心筋梗塞の梗塞範囲にも対応する。働きづめの心臓には多くの酸素と栄養が必要だが、冠動脈は最小限しか配線されていないため、一ヶ所でも塞がると深刻な心筋梗塞を起こしてしまう。
左冠動脈が大動脈から分岐するまでを「左冠動脈主幹部」といい、分岐した二本の血管はそれぞれ「左前下行枝」と「左回旋枝」という。
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