オイラーの公式

読み:おいらーのこうしき
外語:Euler's formula 英語
品詞:名詞

18世紀の数学者レオンハルト・オイラーが発表した、指数関数三角関数を繋ぐ式である。

目次

次の式で表わされる。

e = cosθ + isinθ

ここで、e自然対数の底で、ex形式の式は指数関数である。また、iは虚数単位、cosとcosはそれぞれ三角関数である。θは任意の数で成立するが、特に複素数であるものをオイラーの公式と呼ぶことが多い。

数学、物理学、工学など至るところにその影響を及ぼしうるこの式は、物理学者のリチャード・ファインマンも「我々の至宝」であり「数学の中で最も素晴らしい公式」と評した。

オイラーの等式

この式でθにπを代入すると、次のようになる。

e = cosπ + isinπ

cosπ=−1、sinπ=0なので、次のいずれかで表現できる。

e = −1

e + 1 = 0

この式は、解析学のe、幾何学のπ、代数学のiと、数学の三大分野が一つの式にまとまるものであり、ゆえに数学に興じる者は誰しもが口を揃えて美しいと評する。

しかしそれは本当だろうか

e = −1

改めて見れば、この式はeが−1だと言っている。マイナスが付いているのは非常に惜しく、−1などという数では、この式の美しさは虚像だと言っているかのようである。

円周率τで解決

円周率としてπを使うから上のような問題が生じるのである。代わりに、円周率としてτを用い、θにτを代入すると次のようになる。

e = cosτ + isinτ

sinτ=sin2π=0は同じだが、cosτ=cos2π=1になるので、次の式で表現できる。

e = 1

こうして邪魔なマイナスが消え、美しくなった。

また、e+1=0の図形的な意味は半回転して1を加えると0に戻る(円弧を半周して半径分中心方向に移動すると、そこは中心である)ことを意味しているが、τは2πであり一回転を意味するので、図形的には一周すると元に戻ることを意味することになり、視覚的にもシンプルかつ美しいことが分かる。

関連する用語
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