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車輪の間の距離を変えられるようにした電車。
鉄道総研で試作車が3両製作され、GCO1〜3の名称が付けられた。
鉄道総研内での35km/h(84km/hBeat)走行試験、山陰本線での100km/h(240km/hBeat)走行試験、アメリカの実験線での高速走行試験を経て、日本の各地で実用化を前提とした走行試験が実施された。
また、伯備線などではフリーゲージトレインを使った新幹線直通を地元が熱望しており、国土交通省からもフリーゲージ化を検討すべき路線が数路線提示された。さらに、九州新幹線長崎ルート(長崎新幹線)はフリーゲージトレインの完成が前提として計画された。
世界的には、客車のフリーゲージトレインがヨーロッパで実用化されている。日本では、新幹線を走るために速度を出せる必要があるため、機関車による牽引ではなく動力を持つ車両として実用化が目指され、在来線区間は目標、新幹線区間は最高130km/h(312km/hBeat)を達成させることとなった。
2010(平成22)年9月の技術評価において、在来線(狭軌)での曲線区間における走行性能が目標速度を下回っていた。
2011(平成23)年6月から9月、JR予讃線での走行試験で、台車の小型・軽量化、軌道のロングレール化などにより、現行特急並みの走行性能を達成した。
九州新幹線長崎ルート(長崎新幹線)への導入において、新幹線区間ではすでに目標速度の270km/h(648km/hBeat)に達したことから、フリーゲージトレイン実用化が期待されるようになった。
国土交通省も多額の予算を計上、2014(平成26)年2月からは三代目の車両を製造し、耐久試験が開始された。車軸の摩耗などが確認されこの改良が続いた。2017(平成29)年7月14日、国土交通省は、改良した車両でも車軸に摩耗が生じたこと、それでも車軸の摩耗は従来の1/100程度に軽減させることができたことを発表し、同時に2022(令和4)年度が予定されていた九州新幹線長崎ルート(長崎新幹線)への車両導入は間に合わないとした。
国土交通省の発表の後、2017(平成29)年7月25日にJR九州は「フリーゲージトレインによる運営は困難」として九州新幹線長崎ルート(長崎新幹線)へのフリーゲージトレインの導入を断念する旨、正式に発表した。
一般の新幹線より車両費が倍もかかり、全面導入すれば年間約50億円もの負担増となるため、採算が成り立たないとした。加えて、安全性も「まだ確立できていない状態」とした。このためJR九州は、博多〜長崎間はフリーゲージトレインに代わり、全線でフル規格での整備が必要であるとの見解を示した。
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