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浦沢直樹著作の美少女柔道青春まんが。ビッグコミックスピリッツ連載。連載期間1986(昭和61)年〜1993(平成5)年。全29巻。
一見普通の女子高生 "猪熊柔(いのくま やわら)"。実は彼女は幼少の頃より柔道家の父・虎滋郎をも投げ飛ばす才能を持ち、さらに天才柔道家である祖父・滋悟郎7段によって英才教育を叩き込まれた柔道の天才少女だった。ある日、街でひったくりを巴投げで鮮やかに(パンチラのおまけ付きで)投げ飛ばす柔を見た三流スポーツ誌の記者・松田は彼女に魅せられ、記者生命をかけて彼女を追いかけ始める。さらに滋悟郎は1992年からの女子柔道オリンピック正式種目化を狙って、柔の柔道界へのセンセーショナルなデビュー、金メダル獲得そして国民栄誉賞の受賞を狙っていた。しかし、当の柔は恋したりおしゃれしたり「普通の女の子でいたい」と反発する。だが、柔の気持ちとは裏腹に、スポーツ界の天才少女・本阿弥さやかをはじめとした多くの人々を巻き込んで、日本女子柔道界は柔を中心に動き始めるのだった。
それまでの地味または汗臭い柔道ものとは一線を画した華やかさと爽快さに、柔の可愛らしさと鮮やかかつ圧倒的な強さ、柔道シーンの迫力、生き生きとした各キャラクターなど、多くの魅力を持ったまんがで、浦沢直樹の名を一躍メジャーにした傑作。
1989(平成元)年〜1992(平成4)年にかけてテレビアニメ版も放映。こちらも大人気となり、全124話におよぶ長いシリーズとなった。さらに1990(平成2)年には第35回小学館漫画賞を受賞した。
丁度この頃、現実の女子柔道界では田村亮子が、1989(平成元)年/1990(平成2)年と福岡県女子選手権中学生の部で2連覇、同年に国際試合デビューとなる福岡国際女子柔道48Kg以下級で史上最年少優勝するなど大活躍し、小柄な面も相まって猪熊柔になぞらえてマスコミによって "YAWARAちゃん" のニックネームが付けられた。田村亮子の活躍はその後10年以上にも渡って続いたためマスコミは延々とこのニックネームを呼び続けることとなったが、本来の由来を忘却して "YAWARAちゃん" の固有名詞を田村亮子に使うことに対して、一部の "YAWARA!" ファンは憤慨しているという。
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