ELYSION

2000(平成12)年8月10日にテリオスより発売されたWindows用18禁マルチシナリオマルチエンディングアドベンチャーゲーム。サブタイトルは"永遠のサンクチュアリ"。2002(平成14)年7月25日にはドリームキャスト版がNECインターチャネルより発売されている。

医療事故によりベルリン医療センターを追われた日本人医師葛城遼一は、年老いたイタリアマフィアの首領の主治医の仕事を得、首領の住む地中海の孤島に赴任する。老いてなお強大な権勢を誇る首領は、その島で十九世紀さながらの様式化された生活を営んでいた。初めての首領との会見の席で、遼一はなぜか「一週間のうちに四人の上級メイドから一人を自分の専属メイドとして選ぶように」と申し渡された。はたして遼一はこの島で何を求められているのか？そして、遼一の取った選択は？

ベテラン横田守の原画による美しいCG。そして何より重厚で深みのあるシナリオが圧巻。18禁の枠を越えた傑作アドベンチャーゲームである。

このゲームの特筆するべき事柄として、明らかに "恋人同士の愛" より、"主人とメイドの愛" を、より上位の愛と位置付けていることが挙げられる。一見、理解しがたい感覚であるが、"メイド" の定義をその語源である "Maiden" にまで遡り、神と人間の間の愛になぞらえるという深い論理的考察による説得力をプレイヤーに突きつけている。記号化しただけのメイドさんが登場するありがちなメイドさん萌えゲームとは一線を隔している。

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