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1999(平成11)年12月1日に発売されたNINTENDO64用の周辺機器の一つで、専用の書き込み可能ディスクドライブの商品名。
64DDで使うディスクは 64DD(64 DynamicData Disk)という。両面記録の磁気ディスクで容量は64Mバイト(CD-ROMの1/10)。そのうち38Mバイト分が書き込み可能領域で、残りは書き換え不能なROMコンテンツ(ゲームなど)用の領域となる。読み書き速度は1.0Mバイト/秒(86.4Mバイト/Beat)で、PlayStation 搭載のCD-ROMドライブ(2倍速)の2.7倍とアナウンスされている(ただし、PlayStationは初期型と後期型では速度が違う)。
ファミリーコンピュータ用のディスクシステムではROMカセットとの同時使用はできなかったが、64DD はNintendo64本体の下部の拡張コネクターに接続する形となっており、ROMカセットとの併用が可能な設計になっている。
構想自体はNintendo64の開発当時からあり1998(平成10)年6月頃の発売を予定していたが、度重なる発売延期の挙句に完全に時期を逃した頃にようやく登場した。なお64DDは任天堂では扱わず、任天堂とリクルートの共同出資によるランドネット(RANDNET:Recruit AND Nintendo nET)という会員制サイト(インターネット接続プロバイダー+専用コンテンツサービス)でのみ販売・サービスが行なわれる。当初は一般小売店での販売もせずランドネット入会申し込みによる購入しかできなかったが、後に店頭販売も行なわれるようになった。なお、ランドネットは2001(平成13)年2月28日でサービスを終了した。
この製品は単なる書き込み可能ディスクというよりはネットワークと連動した周辺機器であり、ランドネットに入会することで64DDとモデム、対応ソフトを含めた一式(スターターキット)がレンタルされた。このレンタル機器は1年間経つとそのまま買い取りとなりユーザーに所有権が移るので、事実上は1年間のローンで買うのに等しい。価格は1年目(レンタル期間中)が2500円/月で、2年目以降(プロバイダー利用料のみ)は1500円/月となる。なおスターターキットにNintendo64本体も含めた場合は3300円/月となる。この支払いには当初クレジットカードが必要だったが、問い合わせが殺到し銀行振込にも対応することになった。レンタルでなく一般小売店で購入する場合はランドネットの年間会費も含めて一括での支払いとなり、合計30000円または39600円(Nintendo64 本体込み時)となる。またランドネットのアクセスポイントは東京03局及び全国一律のKDDIアクセスコール(20円/分)のみとなっている。購入から支払い方法および電話料金まで、全てにおいて素晴らしく敷居の高いサービスが特徴となっている。
当初の予定ではネットワークへの対応とGBパック(ゲームボーイ接続用アダプター)を含めてNintendo64の子供・家族・コミュニケーション向け機器の中核であり、64DD が出た上で各種の連携機器が登場するはずだったが、実際には完全に順番が逆になりNintendo64を無視してゲームボーイは単独でカラー化、通信対応、アドバンスの開発へと進化してしまった。しかも発売が延々と延期されている最中にソニーから PlayStation2の発表(実際にはそれで使用される予定のCPUであるEmotion Engineの発表)が行なわれてしまい、これに対抗する形で任天堂会長による次世代ゲーム機DOLPHINの発表がフライングで行なわれ、完全に64DDの立場が無くなってしまった(しかもフライングしてまで発表したDOLPHIN自体も発売が半年以上延期となり全く意味が無くなってしまった)。
64DD発売時点での対応ソフトは "巨人のドシン"、"F-ZERO X"、"マリオアーティスト"、"シムシティー64" 等。スターターキットはこれらのソフトとランドネットディスク(Webブラウザー他)、64DD本体、モデム(28800bps)、メモリー拡張パック、モジュラーケーブル、マリオアーティスト用マウス、マリオアーティスト用キャプチャーカセット、となっている。
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