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日本サンライズ(現:サンライズ)制作のロボットアニメ。監督は高橋良輔で、同氏の監督作品の4作目に当たる。キャラクターデザインは谷口守泰。メカニックデザインは大河原邦夫。1985(昭和60)年10月3日〜1986(昭和61)年6月26日の全38話放映。
1996年(注:放送当時から見て10年後)の近未来、国連やアメリカ、ソ連による宇宙開発が進み、火星にも各国の基地が設置されていた。ここに異星人グラドス人が来襲し、高度な兵器とアメリカとソ連の二大国間の不信による同士討ちによって火星に点在していた基地は壊滅。国連基地に体験学習で来ていた少年達5人と一部のスタッフだけが生き残った。そこへ異星人の兵器SPTに乗った青年が訪れ "僕の名はエイジ。地球は狙われている"と語り始めた…。
主人公エイジの顔が第一話の一番最後まで出てこないという非常に珍しい演出で、主人公のミステリアスな雰囲気と、ストーリー全体の重苦しさ(第一話が地球側のみの視点で語られ、その後も長くエイジは地球人達に信用されず板ばさみの状態で戦っていくことになる)が効果的に演出されている。全体に高橋監督独特の "展開は遅いがその分濃密で重厚な物語"の路線が貫かれ、ストーリー、演出ともに非常に質が高い。
但しこれは前半までで、グラドス人の地球侵攻開始までを描いた第一部に対し、第26話からは第二部として3年後のグラドス人に占領されてからの地球の話が描かれていて、第一部とまるで違う話と化してしまっているためファンからの評判が悪い。優しい青年だったエイジはムキムキの格闘技男となりトンファーを振り回し、まるで北斗の拳のケンシロウもどきと化し、同様に敵の親玉のル・カインはシン、ル・カイン配下の死鬼隊も同作品のザコ共という感じである。ストーリーは除外してこれらのキャラクター(特にゴステロ)に別個に(かなり熱烈な)ファンも付いたが作品全体の質の低下は避けられず、4クール予定が38話で打ち切りとなり、ラスト付近の話は丸々カットされた上に最終回は前振りもなく突然 "最後の対決" で始められることとなった。こんなことになったのは、4クール予定で開始された人気があがらず2クール物として物語をまとめたのが第一部で、終了間際に人気が上がったため急遽第二部が製作された、という事情がある。このため地域によっては一部・二部で放送時間も変更となっている。
なお、後にOVA "刻印2000" として最終回で省略された部分の補完は行なわれたが、最終回以降にあたる当初予定のストーリーが描かれることは無かった。当初予定のプロットに関しては、一部のアニメ雑誌などで紹介されたのみに留められている。
グラドス人の戦闘ロボットの名称 "SPT" は "Super Powered Tracer" の略。"超強化機能服" と訳される。ただし、機能的に人型で汎用性を持たせたところから付けられた名称のようで、いわゆるパワードスーツのような構造(パイロットの関節動作をトレースする)ではなく、デザイン、構造的にも航空機に近くそのほとんどの戦闘は空中戦で、演出的にも航空機が強く意識されている。このSPTの作画は秀逸で、その動きの美しさは当時でもずば抜けていたが今でもトップクラスのものとしてマニアに語り継がれている。また細部のリアリティを持たせた演出が見事で、音声認識型のコンピューター搭載という設定をうまく活かして細かな状況を視聴者に適切に示し、普通には描きにくいメカニック描写を行なうと共に、パイロットの孤独感なども表現してみせていた。
・メロスのように -LONELY WAY- (OP) AIR MAIL from NAGASAKI ・5分だけのわがまま (ED1) 富沢聖子 ・LA ROSE ROUGE (ED2) 富沢聖子
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