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自費出版の本のこと。
元々、同人という語はまんがに使われていた言葉ではない。自己表現を求める同好の士が原稿を持ち寄り、一冊の本にまとめて回覧を行なっており、そのグループを表わす言葉だった。そして作られる本が同人誌だったのである。
現在狭義にはアマチュア作家が趣味の範疇で制作し、即売会で販売する本の事をいう。
ところが現在は、ベテランプロ作家が同人誌を出す例、大企業が営利目的で出版する例、即売会へ参加せずに書店へ直接卸すサークルの例、など様々な形態があるため、実際には「一般流通に乗らない本」という以上の意味は既にない。
元々同人誌とは、趣味の範疇で同好の士が集まって作られた本であり、つまり価格や採算は考えないのが正統である。
結果赤字になってもそれは趣味のための出費にすぎないし、また結果が黒字になっても非難されるいわれはない。実際に、同人誌の制作と販売で生活している「同人プロ」も少なからず存在している。
また現在の同人誌即売会では、個人サークルのみならず、企業出展では無い法人サークルも多数存在している。逆に即売会へは一切参加しないサークルもある。
同人活動の採算については外からとやかくいう問題でないのは確かである。純粋に利益を求める作家たちも多くいるが、そのような活動も広く支持されている。
しかし、こうして「利益を上げる活動」となると、特に二次創作同人誌の場合は版権元も黙ってはいられない状況となる。しかし訴訟等でせっかくのファン(=版権元にとってもお客様)を減らすのも適当でないとなり、難しい著作権問題に発展することになったのである。
同人の世界は敷居が低い。同人誌即売会には誰でも参加でき、その能力も問われない。
昨日マンガを初めて描きました、というシロウトでも、超人気プロ作家でも、即売会では全くの同列である。参加費用もスペースの広さも一緒という機会の均等さ、間口の広さは、同人誌ならではの素晴らしさである。
二次創作の同人誌では、その対象は時代とともに変遷する。
その対象は、その当時の流行であったり、その時点で作者の最も思い入れの深いものとなるからである。
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