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つくしあきひとによるファンタジーまんが。テレビアニメ化、劇場アニメ化も実現した。
底知れぬ巨大な縦穴「アビス」。「奈落」とも呼ばれ、人間の侵入を拒む不思議な力が働くその大穴は、人類最後の秘境とされた。
大穴には、現代人の技術を遙かに超えた古代人により作られた「遺物」や、その古代人の遺骨が数多く眠っていた。やがて大穴の周囲には街が築かれ、命がけの探掘や未知へのロマンを求め、多くの探掘家や盗掘家が日々、この大穴に挑み続けている。
原作は、リコたちの冒険である本編の「ハローアビス」と、2000年周期で訪れるアビスの謎に挑む外伝となる「ハワユードコカ」があり、全て単行本「メイドインアビス」に収録されている。
少なくとも深界七層まではあり、その下が奈落の底であることが公知である。そうであればすぐに終わってしまっては困るので一層ずつ少しずつ進めるのが常識的な展開ではあるが、メイドインアビスについては四層まであっという間に到達し、更に六層までもかなり早い。これは、当初は人気がなく打ち切り危機があったからである。
原作は当初単行本の売れ行きがよくなく、2巻もあまり売れなかったため3巻収録分の途中から打ち切りの話が出始めた。ということで早ければ4巻くらいで中途半端に終わっていた可能性がある。このような状況のためナナチ登場まではかなり高速にストーリーが進行しているが、ナナチ登場以降、ナナチの魅力を前面に押す作戦でこの作品は無事に人気を獲得、読者をして「ナナチは可愛いですね」とボ卿を量産する結果となり、何とか連載も安泰となった。
この結果、当然ながらキャラの一番人気はナナチであり、ナナチのおかげで連載は打ち切られずに済み、TVアニメ化や劇場映画化も実現したわけである。
メイドインアビスは、繊細で可愛らしい絵柄とは裏腹に展開されるストーリーは非常に重い。その内容の度し難さ故に人を選ぶ作品である。この物語を簡潔に言えば年端も行かない子供たちが精神的にも肉体的にも痛めつけられる話である。また、話がどう完結するかも想像できない作品で、少なくとも親子揃って無事に地上に帰ってハッピーエンド…のようなご都合主義だけは決してありえず、それどころか最終回はファン全員でお通夜状態になる可能性の方が遙かに高いと予想される物語である。
つまり「キャラが可愛いのに酷い話」なのではなく、「酷い話であるためリアルな絵では見るに堪えないのでキャラがデフォルメされている」と考えるべきである。
従って、アニメを観た/原作を読んだことでこの作品が気に入ったとしても、布教の際には相手をよく選んだ方がいい。読後はアビスの呪いで正気を失っていて、一般的な作品と混同するような「全感覚の喪失 それに伴う意識混濁」があるかもしれないが、免疫がない人にいきなり与えれば最悪、交友関係が崩壊する危険がある。
アニメでは髪の毛で隠すという苦しい表現をしているが原作では丸見えの乳首や原作では股間もすれすれまで描かれている裸体含むロリ、同様かつ男の娘を含むショタ、百合、リョナ、ケモノ、排泄物(鼻水、おもらし、脱糞)といった度し難い性癖の多くを網羅する。
テレビアニメはPG12相当のレーティングとなっていて地上波では深夜番組枠となっているが、その理由は上述の通りである。テレビ版を2回の総集編とした劇場版のレーティングはあろうことかG(性的なコンテンツ、暴力)となっている。テレビ版の後の話となる劇場版「メイドインアビス 深き魂の黎明」に至っては、頑張りすぎてグロくなりすぎ、当初PG12予定がR15+に変更されてしまった。
作者も、最初は軽いジャブから初めて徐々にグロ度を上げているようにも見られれる。主人公の少女リコも、女の子だというのにR18にならない範囲内で体の穴から出せそうなものは全て出していて、最初は涙、鼻水、よだれなど軽いジャブから始まり、ゲロ、おねしょ(おしっこ)、流血(血涙・鼻血・耳血・血反吐)、血の小便、激痛からの失禁(おしっこ)、脱糞と、徐々にグレードを上げている。きつめの描写が出るより前に、耐えられそうにない人は早々に脱落させあげようという計らいであろうか。作者の心遣いには沢山のお礼が言いたい。
以下は予定
国の存在は語られているが、アビスやオースの街のある国名などは語られておらず不明。アビスは南海ベオルスカの孤島とされるため、ベオルスカが海洋名かもしれないが国名なのかもしれない。この島含め、周辺の島々と共にこの国の統治下にあるのだろう。
国と法には白笛といえども従わないとならないらしく、国の特命とあれば白笛でも断れないらしい。ライザやオーゼンは国や法に従っているが、ボンドルドはオースや外国からもストリートチルドレンなどを誘拐したりしており完全な犯罪者である。ただ白笛は神聖視されているため、白笛の悪行などは伏せられ明らかにされない(黙認)のかもしれない。
オースやアビス内に探掘家が築いた建物などの文明レベルは中世程度に見え、少なくとも近代的なものは殆ど見られないが、電気や電灯は普通に使われていたり、無線通信装置が使われていたりはする。設定上1900年前の飛行船がアビスを発見したので、飛行船がある時代から1900年は進んだ文明の世界には違いないようである。1900年前に見つけたにしては、風乗りの風車が4000年以上前からあるとか、埋葬塔の遺骨が2000年前、その下の遺骨は4000年前、更にその下の遺骨が6000年前…などと分かっているので、描写はないが放射性炭素年代測定ができるくらいの文明はあるのだろう。オース島はアビス以外には何もない小さな島なため、この国の中では特別に田舎っぽいだけなのかもしれない。
アビス周辺に築かれた街。つまり、アビスのある島にある街である。Oath。この街での通貨単位もオースらしい。
穴は直径約1000メートルと巨大ではあるが、その周辺の陸地はそれほど広くはなく小島と思われる。見た目は火山島のようで、街は火山で言えば火口側にある。海側は切り立った崖になっているため、ここに民家などは作られていないが、港はあるらしい。
穴をぐるりと一周するように所狭しと家が建ち並んでいるが、どうみても人間が暮らしやすい環境ではない。土地は狭いので工業にも農作にも向いておらず、米は全て輸入とされている。普段の主食は、マゴイモで、つぶ加工して茹でて食べたり、粉にして辛し饅頭にしたりする。
家と家の間には草木があるので真水は輸入しなくてもあるようだが、水源は不明。常時アビス内に滝のように水が流れ込んでいて、それがアビス内の水の元にもなっていて滝までできるほどの水量になっているようなので、何らかの水の供給はあるらしい。それは雨かもしれないし、図鑑に掲載されているものが一回出たきりどこにあるのか分からない一級遺物 水を生む盃(ニルフォント)が生み出しているのかもしれない。
狭い中に家が密集するので人口密度は高いようである。このため小さな島ながらも北区、東区、南区、西区、中央区に分かれているとされる。
岸壁街からみると上の方に奈落への入口の一つ「奈落門」が見える。孤児院の孤児たちなど含め、一般的に探掘に入る時はこの奈落門からアビスに入るようである。
またこの描写から、南区の岸壁街はかなり低いところ(深いところ)にあるらしい。アビスの呪いは届かない深さなのかもしれないが、届くギリギリの深さである可能性はある。岸壁街は建て増しを繰り返した結果、家の半分はアビスにはみ出し大穴の上空となっているが、今のところは崩れてオースにまるごと落下するような事故は起きていないようである。
場所は不明だが、地上にいた頃のナナチが住んでいた街。
オースの所属する国とは別の国らしい描写がある。
物語の舞台となる大穴。約1900年前、南海ベオルスカの孤島で発見された直径約1000メートル、深さ不明の縦穴、とされる。
火山島のような姿をした小さな島で、火山なら火口に相当する部分がそのまま深さ不明の縦穴になっている。ここに古代人の遺骨や、その古代人が作った遺物が眠る。
大穴は恐らく入口から一番底まで一直線に続いているが、未だ地上から潜り大穴の底を見た者はいないという。穴には階層構造があり、所々大きく横に広がっている場所がある。深界二層、四層、五層は入口よりも広い世界となっていて、そこには地面や川、海などがあり多くの原生生物が暮らしている。
白笛オーゼンによれば、深部ほど時間の流れが地上と比べて遅くなるらしい。深部での数年は、地上では十数年の時間経過に相当するとされている。
アビスは2000年周期で何かが起こるらしい。
どのように人間がそれを知ったのかは謎だが、深界四層 巨人の盃の植物ダイラカズラも2000年ごとに生え替わるとリコが説明しており、また「お祈りガイコツ」も2000年前の遺骨であるが、その遺跡の下には4000年前の、更にその下には6000年前の「お祈りガイコツ」があるらしい。どうやって調べたのかは不明。オースで流行している誕生日に死ぬ病も、この2000年周期の何かかもしれない。
黎明卿ボンドルドも、次の2000年を迎えることを研究の目的の一つとしていた。
アビスに光と栄養を導く謎の力。入口から恐らく底まで一直線に伸びる大穴付近はこの力場の力が強く、この力で底まで光をもたらすが、その分中心大穴近くは上昇負荷も強い。
逆に大穴から離れアビスの淵に行くほど、この力場は弱くなる。光も少なくなり暗くなり、同時に上昇負荷も軽くなる。
力場は光を導き入れるが、その逆方向はないらしく、このため力場が濃い時は入射する光が眩しくてアビスの中からは外は見ることができないようである。
力場は幕のように何重にも覆い被さっていて、深ければ深いほどより濃く強くなるとされる。これは触れてもたわむだけで感触はないが、力場は生き物の動きにも敏感で意識にまで反応し流れを作るという。深界の捕食者やナナチなどはこれが見えるため、意識が読めれば動きも読める、つまり未来予知ができ、深界の捕食者はこれで狩りをしているのだという。
アビス内では、上から下へ移動は問題ないが、下から上つまり帰路に相当する動作をすると「上昇負荷」、通称「アビスの呪い」と呼ばれる不思議な現象が生じる。比較的浅いところでは軽い吐き気などで済み、慣れれば感じなくなるらしい。
力場感知能力を持つナナチによれば、上昇負荷の原因は力場。「地下世界に光を運び、同時に観測を阻む、奈落の秩序と正体を頑なに守り続ける正体不明の力場だ」「縦穴をくまなく満たす、いわばアビスの血液、そいつが『アビスの呪い』の正体さ」「逃げ場なんてどこにもありゃしない」としている。この力場が幕のようになり何重にも折り重なっているのだという。
深部になるほど帰路の負担は重くなるが、深界三層までと、深界四層以深では上昇負荷の質が変わっていて、深界四層以深の上昇負荷は死ぬこともあり得る。
リコは深界一層から深界五層まで、それぞれの層でまんべんなく上昇負荷を受けながらも一命を取り留めている。さすがに深界六層以降でやると死んで物語が終わってしまうので以後リコに対してすることはないとは思われる。
上昇負荷は層を跨ぐと発症するわけではなく、その層内でも上昇の距離が大きい場合は発症する。どの程度の距離上がると症状がでるのかは定かではないが、リコは孤児院時代に深界一層の探掘の帰りに度々、深界二層の監視基地(シーカーキャンプ)入場用ゴンドラや深界三層の上り坂、深界四層 巨人の盃で発症しているほか、深界五層でボンドルドは「気を付けて下さい。10メートル以上登ると上昇負荷がかかります」と説明している。
上昇速度と上昇負荷に相関性はないらしい。体に掛かる負荷は大穴から離れるほど弱くはなるが各層ごとにほぼ固定で、つまり層ごとに密度が異なるらしい力場から生じる幕を突き破ってしまった枚数に負荷は比例するらしい。ただ、ナットが一層から戻る際に吐きながらも休み休み上っていたことをみると、上昇速度を減速(休みながら上昇)すれば身体の回復が見込めるため、体を回復させながら上昇するということは理論上は可能らしい。ただこれも四層までなら何とかなるだろうが、五層では判断力も失われるし、六層以深では呪いの効果が出た時点で致命的なので無意味と思われる。
なおアビスの上昇負荷は、実際には「呪いと祝福」が与えられるとされていて、これを研究するボンドルドも「アビスは『呪い』のみを与えているのではありません」「強すぎる負荷で見えなくなっていた効果… 便宜上 私はこれを『祝福』と呼んでいます」と説明している。
深度0m〜1350m。上昇負荷は「軽い目眩と吐き気」。
孤児院の孤児が孤児院の経営費獲得のため遺物探掘ができる程度の軽い上昇負荷で済むが、遺物の価値は低いとされる。約2000年前の遺骨で、合掌姿で埋葬される「お祈りガイコツ」とされる白骨死体が多数確認される。
リコとレグが一睡した場所は深度820mとされる。
深度1350m〜2600m。上昇負荷は「重い吐き気、頭痛、末端の痺れ」。赤笛がここまで入れば自殺扱いになる。
森林に覆われている。一部に、木々が逆さまに生える場所があり「逆さ森」と呼ばれていて、逆さ森付近は気流が不安定になっている。木は逆さに生えていてもそこを普通に歩けるので、重力は逆さにはなっていないらしい。
二層の終わりには「監視基地(シーカーキャンプ)」があり、白笛の「不動卿」動かざるオーゼンらにより監視されている。
深度2600m〜7000m。上昇負荷は二層の症状に加え「平衡感覚の異常、幻覚と幻聴」。
4000mを超える垂直の壁が立ちはだかる断崖絶壁。空中は強い生物が飛び交っている。餌になる弱い動物は、壁の中に掘られた穴の中で暮らしていて、人間の探掘家もこの穴を通って四層まで降りていくことになる。
大断層には正体は不明ながら大昔の船「囚われの海賊船」が刺さっているが、物語時点では大型の肉食生物マドカジャクの巣となっていた。
深度7000m〜12000m。上昇負荷は「全身に激痛、(血涙など)穴という穴から流血」。法的には黒笛以上が入ることを許されるが、ナナチのアジトには月笛もあった。
ダイラカズラと呼ばれる、800m近い巨大な植物が杯のような形に生えている。これは補食器で、ここから出る液体を湛えているところから「巨人の盃」と呼ばれている。張っている液体はお湯だが、成長中のものは酸を張っているものもあるという。力場の影響もあって空間が青くなるほか湿度が非常に高くなっている。巨人の盃にはタマウガチと呼ばれる非常に強い原生生物が住み黒笛も時折襲われては命を落としている。
この層の端には、ナナチが居住する「ナナチのアジト(ナナチハウス)」が作られているほか、ライザの愛したトコシエコウの群生地もある。
所在不明の場所
深度12000m〜13000m。既知の範囲内では、アビスの中で最も横に広い階層である。上昇負荷は「全感覚の喪失、それに伴う意識混濁、自傷行為」。通常は白笛のみが入ることができ、黒笛も入ることができるが許可が必要とされる。かなり寒い場所らしい。
黎明卿ボンドルドらにより前線基地(イドフロント)が築かれている。人間が人間のまま生きて戻れる最も深い場所で、ここから戻ってきた人は数えるほどしかいないとされる。
五層は一面に水が張られ、海と呼ばれる。六層に自力で行こうと思えば泳ぐか滝を下ることになるが、水中には危険な生き物が多いため、深界五層の水中深くに潜る行為は自殺と同義であるとされる。水底には粘度の高い水があり、それが上層の普通の水を支えているとされる。
白笛オーゼンがいう『深海五層の「海」を越えるための謎めいた仕掛け』が存在。白笛またはその材料である命を響く石で祭壇の昇降機を動かすことができる、つまり白笛または命を響く石は六層に入るための必須アイテムということである。リコの前に神秘卿スラージョが六層に降りているのに昇降機が五層に戻っているため、何らかの力で戻るらしい。
前線基地の最奥にある。これの管理も前線基地の役割の一つであり、黎明卿ボンドルドらにより時々トコシエコウのいぶし香が焚かれているらしい。
これ自体が五層と六層を結ぶ昇降機となっていて、六層への通常のアクセス手段である。祭壇の大事そうなところでメイニャが脱糞するが、これに続いてリコも我慢できなくなり、ンボップと脱糞や放尿をするのであった。
ナナチやミーティが誘拐されたさいには、子供達はボンドルドが「籠」と呼んだ金属製と思しき乗り物に乗り込んだ。アニメではエレベーターを思わせる描写だが原作ではそうではない。まず深度13000mもの距離を一度に移動できるエレベーターなど建設できるわけがないし、また到着までかなり時間が掛かっていた。籠の中にトイレがあるのかは不明だがそれが必要になるくらいの時間、つまり一泊するくらいの時間は掛かっているようである。ではこの籠はどうやってイドフロントまで移動したのかというとボンドルド探窟隊のメンバーである祈手や、呼ばれた黒笛たちが「担いで」移動した。中にいたナナチも気づいていたようで「オイラたちを運んだゴンドラも人力だった」と述べている。大断層やら巨人の盃やらなきがらの海やらをこんな大きくて重そうな物をどうやって担いで移動したのか定かではないが、ボンドルドの度し難い研究は、その影でけっこう肉体労働の苦労があるらしい。
深度13000m〜15500m。上昇負荷は「人間性の喪失、もしくは死に至る」。
六層以深への降下は、上昇負荷により事実上帰還することが不可能になるため「絶界行(ラストダイブ)」と呼ばれている。六層からの上昇負荷で人間の姿を失い異形と化したものは「成れ果て」と呼ばれていて、「成れ果て村」と呼ばれる、成れ果てたちが暮らす村がある。
絶対に五層に帰れないわけではなく、黎明卿ボンドルドは自らの発明で六層の呪いを克服して何度か六層へ入り五層へ戻っているが、どうやら人間性は喪失している。
六層という名は発動する呪いからオースの探掘家が付けた名だが、かつて存在したアビス原住民はこの階層を「ショウロウ」と呼んだ。
成れ果てが棲む村が「イルぶる」である。村であり、揺りかごであり、母である。市場や宿があり、ここで白笛が作られている。
ここに命を差し出すと成れ果てて、なおかつ縛られて村から出られなくなるが、代わりに欲に応じた姿と守りを得られるという。
この村では「価値」という独特の概念があり、住民同士が価値を交換しあうことで成り立っている。価値は即物的なものではなく、その人の大切なものや、好きなこと、得意なこと、なども含まれ、行動や取引の対価として価値を得ることができる。もし他者の価値を奪ったり価値に傷を付けた場合、非常に重い罪としてイルぶるによって「精算」され、その者の持つ宝物は奪われ、足りなければ身体の一部すらも奪われる。
この村で最も価値があるものは「ヒトの子」、つまり人間の子供である。それがなぜかは物語のなかで語られるのだが、結論を述べてしまえば、この村ができた当時まで、イルぶるであるイルミューイが最も欲していて得られなかったものだからであろう。
入る前、レグは「生き物の死骸のようにも見えるな…」と述べ、入る時に生き物の体内に入るかのような描写があったが、これはつまり村はイルミューイそのものであって、イルミューイの成れ果ての姿ということである。
非常に巨大で細長い姿をしていて、中央付近に出入口があるが、頂上には顔のような造形物が多数見える。地面に根を張るようになっていて、イルミューイの本体はその根の部分に残る。顔は一番下、その周囲に腕や足の成れ果てと思われるものがあるが、既に形状は「名残」程度にしか残っていない。
つまり村は生き物であって、イルミューイもまだ生きている。村での営みによって想像以上の価値が発生し、このためイルミューイはどんどん大きく強く成長したという。そして血液が体内にあり巡っているためか、この村内では力場が存在せず、登っても上昇負荷は発動しない。母の愛である。
最下層となる「目の奥」、本来なら脳みそがあるべき場所が空っぽでありこのため知性が失われたらしい。この頭はヴエロエルコが幽閉される牢獄として使われた。
深度15500m以深。上昇負荷は「確実な死」。六層からは戻れないとされるが例外的に戻る方法があるため、深界七層の渦の先こそが本当に戻れない場所と考えられている。
これを著している時点での単行本9巻時点ではまだ物語がここまで進んでいないため、詳細は不明である。七層が終わる深さも不明。
オーゼンによれば、何人かの白笛が不思議な輪を見たという。
深界七層最果てに渦があるという。
次のような場所が明らかとなっている。
深度20000m以深。
これを著している時点での単行本9巻時点ではまだ物語がここまで進んでいないため、詳細は不明である。
奈落の底に至る道に「門番」と呼ばれる得体のしれない生物が棲むという。
アビスに潜っていく冒険家。オースには探窟家組合があり、探窟家はそのランクに応じた「笛」を首からぶら下げることになっていて、ランクごとに潜れる深度制限が決められている。
何をすると進級(?)できるのかは不明だが、次のようにランク分けされている。
月笛の色が青紫であるのは2巻表紙カバーで描かれており、アニメでも踏襲されている。
この深度制限は、アビスが属する国が安全のために設けた法律によるものとされるが、探窟家組合に属していない「盗掘家」や、外国の探窟家はこの法に拘束されないとされており、またアビスの探窟家でもこの制限を超えた深層まで探掘する者がいる。
一人前の蒼笛になれるのは15歳からとされるが、マルルクのように白笛の直弟子の場合は例外でそれより幼くても蒼笛になれるらしい。
最高位ランクの探窟家は白笛と呼ばれ、「奈落の星(ネザースター)」の異名を持つ。また彼らが首からぶら下げている独特の形状の笛も白笛と呼ばれる。物語開始時点では、次の五名が白笛とされていて、白笛には二つ名が付けられて呼ばれる。()内は白笛の形状。材料となるユアワースが既知のものも併記。
次の一名も作中で白笛になる。露骨にネタバレである。
殲滅のライザは主人公リコの母親であるが、絶界行(ラストダイブ)に出て、物語5話で白笛がオースに戻ったため、公的には死亡扱いである。
オースで恐らく市販されていると思われる「奈落見取り図」はなんと七層までが描かれている。これは白笛含む探窟家が探掘結果を電報船で上げ、それら情報をかき集めた集大成として描かれているらしいこと、オーゼンが白笛がみた七層のことを語っていること、ハボルグも白笛は遺族が受け取るのが習わしだと述べており、1900年前に発見され探掘が続けられているということから過去にもそういった事例があったと考えられ、現役以外の白笛も過去には大勢存在したのだろうと思われる。
ランクとしての白笛がどのように探掘家協会に認定されるのかは不明。白笛をアビス内で入手してから地上に戻り探窟家組合に見せれば公認の白笛になれるのかもしれないが、そのあたりの描写はなく不明である。
白笛は、その名の通り全体的に白色で、模様が他の色にて付けられている。ライザ、オーゼンは模様が黒色で、ボンドルドは祈手の爪が茶色系の色となっているが、リコの白笛は色のついた部分がかなり多い。理由は不明。
ランクとしての白笛が持つ道具としての白笛は、単なる笛ではない。他の笛と違って探窟家組合から配給されたり市販されていたりするものではなく、深界六層 還らずの都にある「成れ果て村」で、二級遺物の命を響く石(ユアワース)から所有者のみが利用できるよう特殊な製法で作られている。このため所有者以外が使用しても機能しない。オースでは、ランクとしての白笛が没した場合、それが保有していた道具としての白笛は遺品として遺族に渡される習わしとなっている。
これも描写はないが、恐らくは最初に白笛があり、白笛を目指すまでの途中段階が必要になってオースでは他の笛を使うようになったと考えられる。なぜなら、探索にただの笛はそれほど必要性がないと思われるためである。
ただ、そもそも現役の白笛たちが、自身の白笛をどのように入手したのかは作中ではまだ明かされておらず謎に満ちている。命を響く石(ユアワース)の材料は人間のため誰かの命を犠牲にしないと入手できないことや、そもそも深界六層に降りると五層へは無事に戻れないことになっている。それでいて白笛は深界六層以降への立ち入りや、特定の遺物を起動させる鍵として機能することになっている。
また白笛は、自らが発見した遺物によって武装しているとされる。基本的には一級遺物で武装する。黎明卿ボンドルドは例外で一級遺物に加えて特級遺物の精神隷属機(ゾアホリック)を使用しているほか、リコは白笛として初めての奈落の至宝(オーバード)であるレグで武装?した白笛となったらしい。
アビスの中で見られる古い文字で、遺物などにその文字を見ることができる。
遺物を作り使っていた古代人たちの文字で表音文字と表意文字で数万種類あるとされる。そのうち探掘家たちがシンプルなものを選んで暗号として重用した後、オースの公用文字となっている。
表音文字は1モーラ1文字となっていて、ようは日本語のかな文字1文字と奈落文字1文字が対応する。また表意文字は「簡字」とされ、300年ほど前からオースでも解読された比較的簡素なものが使われるようになったという。
うち、オースで使われる奈落文字は奈落文字(ネザーグリフ)と呼び、まだ意味が分かっていない文字は悠遠の文字(ビヨンドグリフ)と呼ばれている。
アビスの六層以下に降下すること。
六層の上昇負荷は「人間性の喪失、もしくは死に至る」のため、そのまま戻れば生き残っても「成れ果て」になってしまい人の姿を失うため、事実上戻ることができない。黎明卿ボンドルドは他人の命を犠牲にして戻る方法を研究しているが、他の白笛に同じ真似ができるはずもない。
このため、絶界行(ラストダイブ)は国の許可が必要とされる。事実上の死亡者として扱うためであろうか。しかし現役の白笛で届け出ているのはライザだけらしく、神秘卿(スラージョ)や先導卿(ワクナ)は無許可で潜っているし、ボンドルドも五層と六層を往復しているが研究がバレたら大事なので当然報告していない。そして赤笛だったとリコ・レグ、笛すら持たないナナチらは当然ながら無許可でラストダイブに入った。
白笛がいつ絶界行(ラストダイブ)するかは本人の気分次第であろうが、探掘家はアビスの底に憧れを持つがゆえに続けているため、遅かれ早かれいつかはラストダイブに挑むことになる。底に潜る実力を持ちながら潜らないなど、人として不可能だからである。「憧れは止められねえんだ」。
例外はオーゼンだが、人が良すぎてラストダイブの機会を失っている感がある。もう歳だし底を見に行くため命を捨てても命など惜しくはないだろうところ、いろいろと義理堅く面倒見が良すぎて、もうアビスの底を諦めた感がある。
アビスによって命が巡るとする信仰。魂はアビスへと還り、また別の何かに宿るとする。宗教のように教団や確固たる教義があるわけではないらしく、山岳信仰の一種と思われる。
オースはアビスに産業の殆どを依存する街なため、オースの街の住民はこの信仰を持つ人が多いらしい。
白笛オーゼンも、「ここの人たちはねェ あまり神様を信じていないのさ」「代わりに何を信じてるのか 分かる?」「それはここ 大穴(アビス)そのものさ」「奈落の底は未知だからこそ、畏怖(おそ)れられるからこそ神たり得るんだ」「簡単に行って帰ってこれたら、遺物の価値もアビス信仰も、足下から揺らぎかねないのさ」と述べている。
極北の地セレニにいたナナチも読書によって知識として持っていたが、ナナチ自身は原作にはないがアニメでは神様を信仰している描写があったり、またミーティに魂が捕らわれているといった宗教的思想を語っているため、アビス信仰は持っていない可能性が高い。深界五層 前線基地(イドフロント)で順番待ち中にアビス信仰についてナナチから教わったミーティは、元々白笛になりたがっていたこともあってか、その僅かな時間でアビスを信仰するようになったらしく最期の言葉からも強い信仰が伺える。
アビスで見つかる遺骨は2000年前・4000年前・6000年前と「お祈りガイコツ」とされる全身遺骨が見つかるので土葬だったと思われるが、オースのアビス信仰の信者は火葬をしトコシエコウの花とともに灰をアビスに還す(アビスに撒く)という埋葬方法をとるようである。描写はないが地上は土地が狭いため墓地にできる土地が少ないこともあるのかもしれない。
オースの伝統的なお仕置き。子供への罰として、男女問わず裸にして縛り吊り上げるという、特徴的な体罰を科す。
リコも孤児院で度々院長に裸吊りにされては他の男児に見られるのがトラウマという描写がある。
深界二層 監視基地(シーカーキャンプ)でも住んでいるのが結局はオース人であるためか、オーゼンはマルルクを裸吊りにすることがある。単行本2巻のカバー裏(カバーの内側)に、マルルクが裸吊りにされ、それを見たレグが「度し難し…」と述べるシーンが描かれている。
この作品は、作品進行において、次のような原則がある。
こういった原則のほかに、この作品は作品進行において次のような「鋼の掟」がある。
悲惨なことになった胸が大きな子たち。
イルミューイの胸は、8巻で描かれている。49話でヴエロエルコに抱かれた時は子供ながらもヴエロエルコ並に膨らんでいるようだったが、50話で体に卵を取り込んだ時はそれほどの大きさではなかった。
次の子は胸が小さいか、または大きさ不明。が、悲惨なことになっている。
ヒロインの少女で、リコさん隊の隊長。主人公の一人。物語開始時点では赤笛(探掘家見習い)の12歳。金髪ツインテールで、緑眼の眼鏡っ娘。右利き。一人称「私」。アニメでの声は富田美憂。
伝説の白笛ライザの一人娘。母のような探掘家を目指していた孤児院生活ではいたずら好きが高じて私室をお仕置き部屋に移され、時々裸吊りにされることが乙女のトラウマとなっていた。スケベ少年ナットに見られたことを怒った時ナットは「毛も生えてねー体に興味ねえ」などと意味不明な弁明をしている(原作のみ)。
胸は小さいが多少の膨らみはある。本編でも頻繁に胸を出しているが話が進むほどに育っているようである。単行本7巻のカバー裏(カバーの内側)では、少し膨らみが確認できる程度に育っている。
探掘家としての資質は抜群で、人並み外れた行動力と度胸を持っている。料理が得意で、深層で襲いかかる原生生物をレグが倒したあとも「どんな味がするのか」を最重要課題とするなど常識では計り知れない胆力がある。一方で12歳でも未だおねしょ癖が治っておらず、描写はないが孤児院生活でも度々失敗していて、さらに深界二層の監視基地に泊まったときにも失敗して大恥をかいてしまった。
深界四層でタマウガチに襲われ左腕を損傷、一時は左手のみならず命まで失いかけるが、ナナチによって助けられ命とともに左手も助かる。但し後遺症で親指以外動かなくなったため、以降はナナチが作った補助器具を使用している。
産まれは地上ではなくアビスの深界。かつて深界四層で発見された特級遺物「時を止める鐘(アンハードベル)」を獲得するべくライザは妊娠中にアビスに潜るが、他国からアビス内に潜入した探掘隊と度々奪い合いの抗争となりこれが長引いたためにライザはアビスの深界四層でリコを出産した。このためかリコはオーゼンによって取り上げられたものの死産だった。オーゼンは何の気なしに一級遺物「呪い除けの籠」にリコを入れておいたところリコが生き返ってしまったため、これによってこの遺物の正体が実は「呪い除け」などではなく、恐るべき「中に入れた生命を生き返らせる力」と判明、オーゼンとライザは籠ごと赤ん坊だったリコを抱え地上に運んだ。
眼鏡を掛けているが、近視などいわゆる視力が悪いとは異なる理由である。この出生の由来から結果としてアビスの呪いは避けられず、眼鏡なしでは頭痛にさいなまれる不可思議な後遺症を患ったため眼鏡が必須となった。
赤笛が深界二層以深に入ると自殺扱いになるとされるため、禁を犯したリコは公的には死亡扱いになっているものと思われる。
物語の主人公の少年でロボット。髪は濃い茶色で、瞳の色は金色。右利き。アニメでの声は伊瀬茉莉也。
深界一層でリコがベニクチナワに襲われていたところを救助して登場した。いつの時点からかは不明ながら記憶を失ったが、しかしアビス深層からやってきたことが推測されたため、レグ自身が自分の正体を知りたいと願いリコとともにアビスに潜ることとなった。レグという名は、かつてリコが飼っていた犬の名からリコが付けた。しかし実は深界にいた頃もレグという名だったといい、こちらは恐らくライザが(由来は不明だが)名付けたものと思われる。
ロボットである。子供であるリコやナットにとってはかなり重かったようだが、大人であるハボルグは「けっこう軽い」、オーゼンも「思ったより軽いな」と口を揃えており、オーゼンは例外かもしれないが人間が持ち上げられる程度つまり見た目通り人間の子供程度の体重なのだろうと思われる。
肌色は若干色濃く、触った感触は明らかに人間と異なるという。打撃に強い強靱な身体、どこに格納されているのか不明だが40メートル以上伸びる腕、手足から発射でき射程200m以上ある熱線「火葬砲(インシネレーター)」などの装備があり、身体全体が特級遺物の塊である「奈落の至宝(オーバード)」である。
視覚、聴覚は人間より勝り、嗅覚は犬並に優れる。非常に強いが、姿は少年そのもので感情も人間の少年と大差なく、弱虫で臆病。怖いものが苦手で判断も遅いという弱点がある。真面目な性格で、純情。少年らしくリコに恋心を抱いているようだが、リコからはそもそも人間とみられていないため恋愛対象とされていない。リコはレグに全裸を見られても恥ずかしいという感情を抱くことが全くなく、ペットと大差ない扱いのようであるため、そのたびにレグは苦悩している。
三級遺物 姫乳房(おっぱい石)の感触を気に入っていた。リコのおっぱいを見たり、ナナチに触ったりすることを好む。もっとも、リコによるとレグはナナチに触りながら勃起するらしいので、相当いやらしい触り方をしていたのだろう。このため都度ナナチは激怒。しかしレグ、やがてナナチに抱きついて匂いを嗅ぐ俗称「喫ナナチ」を好むようになり、すっかり匂いフェチになってしまった。
上半身は裸で行動することが多いが、およそロボットには不要と思われる乳首、へそ、陰茎や陰嚢といったものが存在する。陰茎を見られるのを恥ずかしいと感じる羞恥心が備わっているためズボンははいており、その下はブリーフと思われるパンツを着けている。人間と同様の食事をし、排便は不明だが少なくとも排尿することが確認されているほか、陰茎はリコ曰く「ちんちんは機械仕掛けじゃないみたい。生っぽいのが付いてて…」、ハボルグ曰く「ほう 金玉は機械仕掛けじゃねえんだな!」とされる。上述の通りこの陰茎はリコのおっぱいを見たりナナチに触ったりすると勃起する。皮膚も、怪我をしても時間と共に自然治癒するなど生物としての特徴を多く有している。
伸びる腕は人でいうところの神経的なものがあるらしく触られると分かるらしい。両手両足にある火砲の火葬砲の威力は強力だが、発射後は10分程度で昏倒し2時間の眠りにつくという弱点がある。またエネルギーも無限ではないので、充電?しない限りは発射できる火葬砲の回数には制限があるらしい。予測では、前線基地(イドフロント)に到着した頃は、ナナチによれば多く見積もっても残り3発程度、ここで電力を吸い尽くし、かつ黎明卿ボンドルドとの戦闘後で残り10発程度にまで回復したようである。
ライザからの手紙によると、深界六層で七層間近の場所でライザと出会ったようである。以降深層ではライザと長く行動を共にしていたようで、ライザの口癖「度し難い」なども感染してしまっている。
白笛の不動卿オーゼンはレグを過去に見ているようで、「フフーン。まだ生きてたんだ、あの子供(ガキ)」などと述べたり、レグが「奈落の至宝(オーバード)」であることを知っていたほか、火葬砲を放つと昏倒することも知っていた。ライザすら六層で見つけたレグをいつどこで見たのかは不明だが、リコを探しに地上に向かう途中の姿を見たのだろうか。
赤笛が深界二層以深に入ると自殺扱いになるとされるため、禁を犯したレグはリコと共に公的には死亡扱いになっているものと思われる。
第10話から登場する「成れ果て」で、三人目の主人公。今はケモノだが、元々は人間だった。人間の時も成れ果てになってからも金色の瞳に銀髪。右利き。年齢は不明だがリコ達と年齢が近い。アニメでの声は井澤詩織。
ウサギのような長い耳のついた半人半獣である。良い匂いがするらしい。指は人間だった頃と同様に両手(前脚)5本ずつあり人間並かどうかは不明だが器用に動かせるらしい。加えて手のひらに肉球のようなものがある。読書家であり賢く、登場時点で医学と薬学に通じていた。口癖は人間だった頃から変わらず「んなぁ〜」。
普段は人間と同様に二足歩行しているが、前線基地で度々急ぐ時に四足走行をしている。やはりケモノなので四足の方が速いらしい。
性別は敢えて特定しない描写がなされ、上半身裸だったり一人称も中性的な「おいら」だが、在りし日の姿は水色のワンピーススカートを着ており、ほぼ疑いなく女児である。このため、リコに抱きつかれても少し困って嫌がる程度だが、レグに触られると赤面して恥ずかしがり「お前の触り方がいやらしいからだろぉー!!」と拒否するなど、女性としか考えられない反応をする。もっとも、リコによるとレグはナナチに触りながら勃起するらしいので、ナナチが嫌がるのも分からないではないくらいに、いやらしい触り方をしていたのだろうと思われる。
ナナチは良い匂いがするらしい。すっかり喫ナナチに目覚めてしまったレグ曰く、単行本5巻カバー裏(カバーの内側)ではあちこちが「香ばしい」とし「香り:抗い難い」としている。また6巻42話ではマジカジャが「いい匂いのふわふわ」「いい匂いのナナチ」などと言っている。
人間だった頃は、雪や氷に覆われている極北の地「セレニ」でゴミ拾いをしながら生活するストリートチルドレンだった。古い奈落文字で書かれた本など他の人が読めない余っている本を手にしては読書を続けた結果、古い奈落文字も読めるようになった。
そんな中でナナチは神様にアビスの深界に行きたいと願っていたが、ちょうどその頃にボンドルドが現われた。彼にそそのかされオースへと連れてこられ、そのまま深界五層 前線基地に運ばれた。その旅路でできた初めての友達ミーティとともに実験装置である昇降機に入れられてしまい、六層の上昇負荷による呪いの全てをミーティが受け、ナナチは祝福のみを受けた結果、現在の半人半獣姿の成れ果てとなった。またこの時の祝福によりアビスの呪いの知覚能力を得たほか、少なくとも五層までなら上昇負荷に耐えられる身体になった。ただ全く受けないわけではなく「慣れている」とのことである。
成れ果てになって以降、前線基地でボンドルドに怯えながらも助手として活動し「カードリッジ」作りを手伝いながら外科手術や薬学に精通したようだが、ボンドルドのミーティに対する扱いに耐えかねてミーティとともに脱走し四層に構えたアジトで二人暮らしをするようになった。
成れ果てになって以降、何らかの方法で目に細工をされ、ボンドルドや祈手たちはナナチが見たものを見ることが可能になっている。
生まれてからリコと出会うまで前線基地の頃含めてまともな料理を食べたことがなく料理が下手で、見た目が「粘りある泥」である「奈落シチュー」を得意料理とし愛食するなど悪食であるが、リコが目覚めリコの手伝いの元で作られたまともな料理を産まれて初めて口にすると、あまりの美味さに感動の涙を流す描写がある。以降、リコとレグはナナチに美味しい物を食べさせては顔を眺めるのを密かな楽しみとするようになった。
人間の頃はワンピーススカートを着ていたが、「成れ果て」になって以降は、前線基地でもナナチのアジト以降でも、レグと同様に上半身裸で暮らしている。ナナチが男性なら不自然はないが恐らくは女性なので不思議さはある。獣になっても人並みの羞恥心は持っていることを考えると、元々貧乳なため全身に毛が生えてしまった後は隠れて見えなくなり上半身裸にしても恥ずかしくないから、という理由が予測されるものの、理由は語られていないため実際には不明である。成れ果てナナチを溺愛したボンドルドの趣味だったのかもしれないがこれも不明である。
孤児院のメンバーの少年。赤笛。碧眼の茶髪。アニメでの声は田村睦心。
南区のスラム街である岸壁街で生まれ育った。月笛を目指しており、岸壁街に孤児院を作ることを夢見ている。探掘はリコ並に上手いようでレグへも的確なアドバイスができたが、深界一層の上昇負荷にはまだ耐えられないもよう。
第2話では深界一層で強敵ベニクチナワに襲われ食べられかけた所をリコによって助けられ一命を取り留めた。いつもは強気の少年だが、さすがにこの時は、アニメでは描写がないが原作ではお漏らししてしまったらしい。
リコに片思いをしていたため、リコと永遠の別れになってしまうアビスへの旅立ちに反対するなど度々暴言を吐いてしまう喧嘩友達となるが、最後は手助けをする。
孤児院のメンバーの少年。赤笛。赤眼の濃い茶髪で、眼鏡を掛けている。アニメでの声は沼倉愛美。
孤児メンバーの中では最も賢いが、最もいたずら好きで悪知恵も働く少年である。レグを孤児院に運び込む時に機転を利かせたりした。リコがアビスに潜るとき、一切反対せず手助けをした。
孤児院のメンバーの男児。まだ幼く、赤笛よりも下の鈴付きである。碧眼の金髪。アニメでの声は塙愛美。
オースで流行していた謎の奇病「誕生日に死ぬ病」に冒されるも、ジルオとキャラバン船の薬師ミオが島外のキャラバン船に連れ出した途端に元気を取り戻し、この時は一命を取り留めた。
孤児院のリーダー。月笛。碧眼の銀髪。アニメでの声は村田太志。
10代の頃、オーゼンの誘いを断ってライザの弟子になった。現在は20代。
突然現われたレグの正体も内心察しており、リコたちがアビスに潜ろうとする企みも察していたが、リコの正体を知る数少ない理解者であったこともあり、ライザの手紙の複写を渡すなどして特に妨害することなく送り出した。
最初にライザを師匠に選んだのは、幼少の頃にリコがアビスから帰ったところを見ていて思うところがあったためと思われる。
孤児院の院長。アニメでの声は沢海陽子。
かつては探掘家だったらしいが現在は引退し孤児院の院長を勤める。
孤児院の主要な財源が孤児院の子供たちが収集してきた遺物の販売益であるため「遺物のちょろまかし」には厳しい。
リコの母親。白笛で「殲滅卿」「殲滅のライザ」の二つ名を持つ。夫はトーカ。アニメでの声は坂本真綾。
まだ幼く赤笛だった頃、オーゼンを気に入り押しかけ弟子となって以降、オーゼンに白笛になるまで育てられた。やがて同じ探掘隊の黒笛のトーカと恋仲になり結婚しリコをもうけるも、アビス深界四層でリコ出産前にトーカと死別している。口癖は「度し難い」。
オーゼンやジルオの会話より、かつてはレグとともに行動していたことが示唆されている。ジルオ曰く酒豪で、酒の強さはオーゼンにも勝るという描写がある。
物語開始の10年前に絶界行(ラストダイブ)に出ており、現在は消息不明。なぜか白笛のみ戻っており、このため公的には死亡扱いである。
恐らく六層で死亡し、ライザの遺言によりレグが深界四層 不屈の花園まで運び無尽槌(ブレイズリープ)を墓標として葬ったが、それを見つけたオーゼンが墓を暴いても遺体は見つからなかったという。オーゼンのことなので、もし遺体があったなら間違いなく呪い除けの籠で蘇らせようとしたことだろう。遺体が見つからなかった理由はまだ明らかになっていないが、一緒に付いてきた「クオンガタリ」に食べ尽くされたためとも考えられる。
リコの父親でライザの夫。黒笛。
白笛ライザと結婚した時点で既に黒笛だったが、しかしライザより背が低く、かなり若く見える。かなり年下だったのではないかと思われる。
ライザらと共に特級遺物 時を止める鐘(アンハードベル)の回収に向かうが、ライザの探掘隊は鐘の奪い合いで他国の探掘家と抗争となった。攻撃を受けつつも何らかの事情でアビス内を昇ったようで、ジルオの説明によればこの四層の上昇負荷による全身の激痛と出血が間接原因となって、結果としてリコが産まれるより前に死亡した。黒笛レベルでも四層の負荷は時に致命的らしい。
黒笛の大男で髭男。妻はラフィー。
かなりの大男で体付きもよく、非常に高速な探索が特徴でレグたちにも追いつくことができた。かなりの怪力持ちと思われる。豪快かつ度量の大きな男であることも奏功してか、オーゼンやライザなど白笛とも仲が良い。
オーゼンやライザとの関係が深いこともあってかリコの正体を知る数少ない理解者の一人であり、幼少の頃より付き合いがあった。
ハボルグの妻で、香辛料店を営んでいる。アビスのすぐ前に店があり、深度300メートルまでの望遠鏡がある。
夫が探掘家であることや、ハボルグがなりたがっている白笛のことをあまり快く思っていないようである。危険なアビスに入ることが多く心労が絶えないためと思われる。
子供ができず、このため度々遊びに来るリコを我が子のように可愛がっていたが、そのリコも遂にアビスへと旅立ってしまった。
白笛で「不動卿」「動かざるオーゼン」の二つ名を持つ。右利き。ものすごい猫背である。アニメでの声は大原さやか。
身長は2メートルを超え、50年以上白笛として活躍しているとされる女性。一人前の蒼笛が公式には15歳からなので仮にその年のうちに白笛になれたと仮定しても65歳以上となる。アビス内では時の流れが違うので地上年齢よりは若いのかもしれないが、高齢であることは疑いがなく、自身も「歳だから」と述べている。
全身に一級遺物「千人楔」を120本埋め込んでいて、白笛の中では無双の怪力を誇る。元々は事故で大けがをし、やむを得ず使用したところからはじめ、以降見つけるたびに使用して今に至るという。
行き倒れていたマルルクを助けて以降は監視基地で暮らしているほか、以前オースにいた頃は押しかけ弟子となったライザを白笛になるまで育て上げるなど、性格は度し難いが義理堅く、面倒見はいい。
かつては弟子のライザを大切にし、ライザがトーカと結婚したことを快く思っていなかったようなのでレズビアンの気もありそうだし、現在は男の子のマルルクに女装させて侍らせつつ、たまに裸吊りにして眺めて楽しむ程度の変態でしかないので、白笛としてはおとなしい方のようである。そういった描写はないが、当然ながらライザが子供の頃はライザも裸吊りにして眺めて楽しんだのだろう。ライザの次はジルオにご執心で、ジルオを「あの子」と呼び、ライザの弟子になってしまった以降もいつか弟子にしたいと思っているようであるが、ジルオも裸吊りにして眺めて楽しみたいのかもしれない。
無双の怪力を持っているので生半可な現生動物など敵ではないだろうから、絶界行(ラストダイブ)もそれほど苦ではないだろうと予想される。しかし結果として自分が白笛になるまで育てた弟子が絶界行(ラストダイブ)するのを見届けるくらいの古参(少なくとも50年前から白笛)でありながら未だにラストダイブすることなく、このおばあちゃんは地上にいられない連中を自分の探掘隊として面倒を見つつ、監視基地の防人をしながら休憩所として維持運営しつつ、弟子のマルルクを育てたり、ライザとの約束を義理堅く守るために留まり続けている、とても白笛とは思えない出来すぎた人である。惜しむらくは変態なことだけである。やもすると、オーゼン的にはアビスの底への憧れよりマルルクを男の娘にする憧れが勝ってしまったのかもしれない。まことに度し難い。
監視基地で暮らす碧眼碧髪の子供で、蒼笛。普段着はメイド服。右利き。一人称は「ボク」。
行き倒れていたところをオーゼンに助けられて以降、オーゼンの直弟子となり、オーゼンが育てている。日の光に弱いとのことで、地上に戻ることなく監視基地の中で暮らし続けている。
年齢は10代前半。蒼笛は15歳からだが白笛の直弟子なので特例、と述べており、年齢は15歳に満たない。マルルク本人もリコと同い年くらいと述べているほか、リコがおねしょをしてしまった際も「ボクもおととしまでやってましたし」と述べているので、リコ(12歳)とほぼ同い年なのは確実であろう。どうでも良いことだが、おねしょの一般的な説では、5歳児で20%、7歳児で10%、12歳児で3%程度がするらしい。
性別は敢えて直接表現されていないが男子と推測される描写がなされている。男の娘になってしまったのは、単純にオーゼンの趣味だからとのことである(作者談による)。外伝でジルオが監視基地に来たときも、以前を知っていたようでマルルクの女装を見抜いていた。マルルク本人も性別はあまり公言せず、女として見て欲しい気持ちを持ち合わせているようである。リコからは「マルルクちゃん」と呼ばれ、なおかつ堂々と全裸を見せていることから、リコはマルルクを女として見ている模様。この時、リコの全裸をみてレグとともに赤面しているので、かなりウブな模様。
ちなみにリコのおねしょ洗濯物は(原作でもアニメでも描写は若干おかしいが)上着、シャツ、前開きのブリーフ、シーツ、ズボンと思われる一人分のみだった。シーツ以外は入浴後にマルルクから借りてリコが着ていたものそのものだろう。シーカーキャンプに小さな子供はマルルクしかいないし、他に小さな子供が来る可能性などないので子供服の予備もないだろうから、恐らくリコは着替えを紛失しており、このためマルルクは自分のパンツ含む衣服をリコに貸したのだろうと思われる。つまりマルルクはメイド服で女装はしていても、さすがにパンツは女児用ショーツなどではなく男児用ブリーフを使っているのだろうと予想される。女子に自分のパンツを貸し出すとは度し難い。さすが度し難い師匠の直弟子である。
同年代の探掘家が監視基地に来たのはリコとレグが初めてであることや、結果初めてできた親友であること、そしてそのようなことはいずれ成人する年になればあるだろうが子供の時代にあっては今後二度と起こらないだろうことから、彼らとの別れをとても悲しんだ。
オーゼンの探掘隊。総人数は不明だが、作中には黒笛シムレド、月笛イェルメ、月笛ザポ爺の三名しか登場しないので、これで全員かもしれない。オーゼン曰く「地上に帰る場所の無いろくでなし共」。とはいえ、悪人には見えない真面目そうな人たちである。
深界暮らしをしていても、時々探掘で得た遺物を地上に持っていって売ったり、地上から必要な物資(食料や衣類など消耗品)を買ってきたりする担当は必要である。オーゼンはライザの墓を見つけたりなど深界四層あたりまで探索に出掛けることはあるようだが地上には戻ってなさそうなので、描写はないが地上に戻る役は地臥せりがやっているのだろうと思われる。地上に帰る場所の無いろくでなしとは言われても、地上に戻ると即逮捕されてしまうような罪状はないらしい。
但し、ハワユードコカ04ではイェルメは前科4犯で過去に笛が格下げされたことがあるらしい。
11話から登場する「成れ果て」。元々は地上で暮らす人間で、後にナナチの親友となる赤眼赤毛の少女だった。成れ果てでの声優は公開されていないが、人間の姿でのアニメでの声は喜多村英梨。
出身や地上での暮らしは不明だが、ボンドルドにそそのかされ、ナナチと同時にオースに集められた後に深界五層 前線基地に送られた子供の一人である。ナナチと共に六層の上昇負荷の実験装置である昇降機に入れられ被験者にされ、ナナチの分もアビスの呪いを受けてしまい異形となった。「あたしが人間じゃなくなっちゃったら…」「(アビスで死んでも魂が巡って)またナナチのとこに魂が還るように」「ころして」と最期の言葉を残すが、二人分の呪いを受けた結果、不死となってしまった。
かくして姿こそ異形で、大きな3本の爪の生えた腕が生え、口が縦に裂けた、ほぼ肉塊としか見えない姿ではあるものの、獣のように全身に毛が生えてモフモフしており、良い香りもするらしく、そして大きくつぶらな瞳がチャームポイントとなっている。
ボンドルドは時々六層に出掛け成れ果て村を訪れているようだが、このミーティを連れていったことがある。実験の一環だろうが、ミーティは不死ということもあってか、六層からの上昇負荷をこれ以上受けない身体に変化しているようである。
食事を摂る必要がなく、どこからエネルギーが供給されるのか不明だが肉体が損壊しても再び生えてくるが、痛覚はあり痛みで涙も流す。ボンドルドから残虐な生物実験に利用され続け、やがて遺物「枢機へ還す光(スパラグモス)」によって左目が潰されたが、左目だけは元に戻ることがなかった。
絶えかねたナナチにより連れ出され四層のナナチのアジトで暮らすようになる。異形となっても目だけは元の人間の頃から変わらなかったことからナナチはミーティの魂が捕らわれていると考え、ナナチはミーティの尊厳を取り戻そうと何度もナナチに毒を盛って殺そうとするが果たせなかった。レグと出会ってから、ナナチの懇願で火葬砲により焼かれ、ついに葬られた。
しかし実はスパラグモスで左目が潰されるより前、深界六層 成れ果て村の三賢ベラフに気に入られ、本人の体の大部分と引き換えに魂ごと複製されたもう一体が存在していた。この複製を作った時はスパラグモス前なので、両目が健在である。こちら側のミーティはそこそこ大切にされ、つぼに入れられ、周りに香のよい草花が敷かれていて、ミーティ自体も香りが良いらしい。とはいえ、時々肉体の一部を吸われては痛みで涙を流しているので、結局は虐待は受けている模様。リコはナナチのアジトにいた頃のミーティは直接見ていないため、六層の複製ミーティで初めてミーティを見ることになった。
ちなみに、呪いではなく祝福を得たと仮定した空想上のミーティ、通称「祝福ミーティ」は単行本3巻のカバー裏(カバーの内側)に描かれている。こちらもナナチ同様上半身裸で、胸は1対2個。あろうことか豊満な胸を隠すことなくそのまま描かれており、それをレグが赤面しつつまじまじと見つめるシーンとなっている。ナナチは人間と同様5本指だが、祝福ミーティはどうやら獣と同様に4本指のようである。
白笛。「黎明卿」「新しきボンドルド」の二つ名を持つ。オーゼンにすら「筋金入りのろくでなし」と呼ばれる。口癖は「おやおや」。アニメでの声は森川智之。
深界五層に、アビスの謎を究明することを目的に前線基地(イドフロント)を築いた。
誰に対しても紳士的な態度を示す紳士で怒ることがないが、人間性は失っており、実験のためなら子供の誘拐や利用など人命も軽視するなど手段を選ばない。オースではなぜか許されてしまっているが、海外では当然重罪人で指名手配もされているものの、懸賞金目当てで彼に近づいた者はみな行方不明になったという。白笛通の黒笛ハボルグ曰く「得体の知れない何かが 仮面被ってヒトの真似事をしている」とのことである。
本来のボンドルドは既に死んでいるが、彼は自ら白笛の材料である命を響く石(ユアワース)となり、ここからボンドルドの白笛が作られた。また特級遺物「精神隷属機(ゾアホリック)」によって自身の意思を他者(祈手)に植え付けることでボンドルドとして存在し続け、ボンドルドはボンドルドとしての使命に生き続けている。
五層と六層を往復できる昇降機(ゴンドラ)でナナチやミーティ含む子供達を「成れ果て」にする実験をしたり、人間の臓器で数日間の生存に必要なもののみを残し他を切除したものを箱詰めにし、こちらに呪いを押しつける「カートリッジ」なる狂気の装置を発明しアビスの呪いを肩代わりさせる実験をするなど、部下にすら非人道的と言われるほど非人道的な実験を躊躇せず実行している。ボンドルドにはプルシュカという娘(祈手の娘であって、本物のボンドルドの娘ではない)がいたが、プルシュカすらも「カートリッジ」にし、それを消費してしまった。
これほどの狂人だが、人類の敵というわけではなく(人命は平然と犠牲にはするが)むしろ人類のためにアビスの謎に挑もうとしていることや、「ナナチ 君はかわいいですね」「愛ですよ ナナチ」などの「箴言」が読者に気に入られ、根強いファンを持っている。次のような功績が語られている。
ナナチはリコたちと共に前線基地に戻った後、ボンドルドと「刺し逢える日をずっと夢見てきた」とした。しかしボンドルドはナナチを実験の貴重な成功例かつ有能な助手として溺愛し続けているため「ああ…良かった…そうならなくて」と返していることや、ナナチ自身も、自分やミーティを成れ果てにした恨みこそあるもののセレニからアビスに行きたいというのは自分が願ったことであるし、その願いを叶えてくれたのは他でもないボンドルドであること、結果として親友となるリコやレグと巡り会えて夢に見た冒険に出ることができたこともボンドルドのおかげだし、瀕死のリコを救えたのは結局のところボンドルドから教わった医療技術があったからこそ等々、とにかく功罪が振り切りすぎているボンドルドに対しては言葉では言い表わせない複雑な感情を持っている。
ボンドルド率いる探窟隊のメンバーであり、精神隷属機によってボンドルドの意識が植え付けられた隷属体である。黒笛。
現在のボンドルドが倒れた場合、近くにいた祈手がその仮面と白笛を取り黒笛を捨てて、その者が新たなボンドルドとなる。
祈手も元は人間だったので、祈手である間は名前がある。深界四層、タマウガチとの対戦時に紛失した無尽槌(ブレイズリープ)を不屈の花園でレグに渡し、そして不屈の花園に火をつけた祈手はギャリケーと呼ばれているようである。
祈手は膨大な数作られ、このためボンドルドに戦いを挑んだナナチも根絶は不可能と判断するが、戦闘向きの祈手はレグたちとの戦闘で全て倒したため敗北を認め引きさがった。生き残ったうちの一体がボンドルドの仮面を被り新しきボンドルドとなり、リコたちを見送った。
精神隷属機は破壊せず残されたので、今後はまた祈手の数も増やされていくのだろう。
ミーティやナナチたちよりも先に実験に呼び出された少女。アニメではピンクの瞳とピンク髪のツインテール。アニメでの声は原奈津子。
ボンドルドが管理する肉電球(実験体の生死を表わすランプ)によれば、ミーティの肉電球の左となりに奈落文字で「イリム」と書かれており点灯していることから、姿は不明だがレグがミーティを葬った後にもまだ生存はしているらしい。
作中では深くは語られていないが、成れ果てとなった姿がプルシュカのペットのメイニャではないかとする説がある。
ボンドルドの娘とされる少女。ただし祈手の娘であって、本物のボンドルドの娘ではない。赤眼の銀髪。一人称は「あたし」。映画での声は水瀬いのり。
前線基地(イドフロント)で生まれ育った。しかし幼い頃はアビスの呪いで異形で、かつ呪いが深すぎて自我も崩壊していた。だがボンドルドは将来利用できるとも判断し、愛情をもって育てた。
やがて、イリム、ナナチ、ミーティたちの実験が行なわれた後、イリムの成れ果てが10歳の誕生日プレゼントとしてプルシュカに与えられた。この頃のプルシュカは自我崩壊状態だったためか名前を発音できず、メイニャと呼ぶようになった。
やがて崩壊していた自我も回復、しかしメイニャを追って階段を上ってしまい上昇負荷で負傷し再び精神も持って行かれたが、献身的な治療が奏功し再び精神を取り戻すことができた。この時の呪いで髪の毛がぐるぐるに巻いてしまうようになったものの、やがて胸の発育もよい娘に育った。胸の大きさは、単行本5巻の本編や、単行本4巻のカバー裏(カバーの内側)に描かれている。在りし日のミーティと同様に豊満な胸があるが、この作品では、イリムは描写がないので分からないが胸が大きい幼女はことごとく残念な末期を遂げる運命にあるらしい。
リコ達と出会った後、特にリコと気が合い、アビス内の話を聞いているうちに仲も良くなった。産まれてから一度も前線基地(イドフロント)を出たことがないプルシュカは外の世界に憧れ、リコと冒険に行くことを望むようになった。
最高のパパと呼び慕っていたボンドルドがレグの腕を切断したと知りショックを受けるが、程なくボンドルドによって「カードリッジ」にされてしまう。そしてレグとの戦闘における上昇負荷で消費され、プルシュカのカードリッジの中身もアビスの呪いを受けた。しかし彼女の、リコと冒険に出たいという強い願いによって二級遺物、リコの「命を響く石(ユアワース)」となり、カートリッジからあふれ出たのであった。この石がリコさん隊の絶界行(ラストダイブ)を手助けた。
深界六層にリコたちとともに辿り着いた後、プルシュカ石はファプタに持ち出され、ガブールンが成れ果て村に持ち込んだ。リコが辿り着いた頃には石は白笛へと加工されており、これを得たリコは現役として6人目の白笛になり、プルシュカは白笛としてリコと随伴する冒険に出ることになった。かくして、元の姿ではないものの、プルシュカは自らの望みを叶えたのである。
リコが前線基地(イドフロント)に泊まった日、リコが大好きな「ちんちん」の話になった。プルシュカは「ちんちん」を知らず、リコはあろうことか母からの手紙と信じた「奈落の底で待つ」の裏に「普段はこういう感じの… レグがおっぱい見たりナナチ触ったりしていると…」などと言いつつちんちんの絵を描くと、それをみたプルシュカは「ああ!『パパ棒』のことか!」と爆弾発言をした。一応ボンドルドの娘ではあるので、親子なら一緒に入浴することくらいはあるだろうから、その時に覚えたのであろうか。
リコたちが泊まった晩も自分の部屋には鍵を掛けていた。それがなぜかは描写がないが、同年代の友達もおらず殺風景な基地内での生活の中ではあってもやはり年頃の女の子なので「パパ達にも言えないこと」として自分で覚えたことがあって、そのために部屋に鍵を掛けたのだろうと思われる。リコに鍵をかけた理由を問われ「あたしだって部屋に鍵くらいかけるわよ」「年頃なんだから…」「色々あるのよ」と答えている。
プルシュカのペットの小動物で、羽根のような耳?の生えた四足獣である。ボンドルドはメイナストイリム(変化の子)と命名した。普段はプルシュカの帽子の中に住んでいたが、プルシュカ亡き後、リコたちの旅に同行することとなる。鳴き声は「メヤァ」。映画での声は原奈津子で、イリムと同じである。
正式名から、作中に僅かに登場した少女イリムとの関係が示唆されている。ミーティとナナチの前にボンドルドは「ヒトとそれ以外では上手くいかなかった」と述べていることから、イリムは他の何らかの動物と実験され、完全には呪いを防げなかった状態で祝福を得た結果の「成れ果て」ではないかと考えられている。祝福だけを得た成れ果てのナナチのようにアビスの呪いの知覚能力を得たほか、少なくとも五層までなら上昇負荷を受けない身体になっている。
その後、ボンドルドはこの成れ果てをプルシュカに10歳の誕生日プレゼントにお友達として与えたが、プルシュカは自我崩壊中でメイナストイリムと発音できず、結果プルシュカはメイニャと呼ぶようになった。
匂いは臭いらしいが、その匂いをかぐと五層の上昇負荷で全部の感覚がなくなってもメイニャの出す「うねうね」が見えて、安全に登ることができるらしい。
鳴くことはできても話すことはできない。ただ、プルシュカの「カートリッジ」を一目見てそれがプルシュカだと判断したり、それを悲しむなどしていること、ナナチと同様にアビスの呪いの知覚能力を得ていることなどから、ナナチと同様に人としての自我が残されているのではないかと疑われる描写がある。
元ガンジャ隊の一員も何人か生き残っていたが、全て村とともに消滅した。
村の原住民。リコを手助けする。村の言葉だけでなく地上の言葉や、他の言葉も知っているらしい。
身体はにおい、流体であり形がないため、身体として入れ物を用いている。普段の身体は三つ持っているらしい。
メイニャが好きで、うっかり傷つけてしまい精算されてしまった鳥のような姿の成れ果て。
「まぁぁ」しか言うことができず、誰もその言葉の意味が分からない。
ペットショップでもあり食材屋でもある店の店主。平べったいクラゲ。手を伸ばすとかなり大きい。
小さなものに身体を這わせることが価値。
ファプタとの対決で恐らく死亡。
市場にいる原住民で、自分の身体に管を通すことが価値とされる。
市場にいる原住民で、他者の身体を切り裂くことを価値としている。
村の工房に住む楽器職人。プルシュカだった命を響く石(プル石)を白笛に加工し、リコに渡した。
ポリヨーンは工房そのものであり、ここから動くことができないという。
宿(ハニースク)の主人。口数が少ない。「メポポホン」は「居眠りさん」という意味で本名ではないらしい
食堂店主、食堂のおかみさん。女性であるらしい。成れ果て村では数少ない地上語が話せる人。
ガンジャ隊のことはヴエロエルコに聞くまで知らなかったので元ガンジャ隊の一員ではないが、アビスに挑んだ元探掘家ではある。
村の原住民。とても強くて怖いらしい。ガンジャ隊の一員の成れ果てだと思われる。
村の原住民。他の何匹かとともにベラフの部屋にいる。最後に外のもので作った「メッきぉ」をナナチに渡した。
三賢は、ヴエロエルコが持ってきた「星の羅針盤」に導かれ船でアビスを目指した者達の生き残りである。複数の船団で目指したが、唯一辿り着いたのがこの三賢たちが乗船していた船だけだった。
彼らが島に辿り着いた頃はまだ無人島でありオースの街は築かれていなかった上、本編の時代では既に滅んだ原住民がまだいたことから、オースが築かれた2000年期よりも昔の時代だったと思われる。このため、決死隊の一部がアビスの呪いを理解せず上昇し成れ果てと化したり、ヴエロエルコは「六層」や「白笛」という現在のオースでは常識的な探掘家としての単語を知らかったりした。彼らは、現アビス人と繋がりがないことは確実である。
三賢の一人の成れ果て。今も地上語が話せる。元は人間で決死隊「ガンジャ」隊長であり、六層に来た生き残り。
やがてイルミューイを女王として身体を捧げて成れ果てた。
成れ果てた後、ヴエロエルコをイルミューイの頭の中(目の奥)に幽閉した。
村の終末の際にはファプタを3人に託し、消滅した。
三賢の一人の成れ果て。竜のような胴体を持つ。顔にある二つの目に見える部分は口。元は人間であり決死隊「ガンジャ」のメンバーで、六層に来た生き残り。今も地上語が話せる。
誇り高く、イルミューイの子を食べることに抗えない罪悪感を持ち続けていた。食べたいという欲求(食欲)を理性で拒もうとしたが、やはり食べたいという欲求があった。在りし日には「美しさとは瞳だ」としていたが、イルミューイに身体を捧げた後の成れ果てではその瞳を奪われて双方とも口になってしまったわけである。
ボンドルドが六層にミーティを連れてきたとき、それを見たベラフはミーティの不死性に惚れた。食べてもなくならないミーティは自身の罪悪感を紛らわせつつも欲望を叶えてくれる最高の価値だったからである。しかしボンドルドは売らなかったため、再びその身をイルミューイ(イルぶる)に捧げた。対価として724本の手足のすべて、体長の5割、聴覚器の一部を永久に還元することで、イルぶるに魂までも写し取ったその時点での完全な複製を産んでもらったという。
気に入って複製したミーティを(匂いではなく、その字面通りに肉体を)吸う「喫ミーティ」に興じていた。ミーティは不死であり体の一部を吸い取られてもまた生えてくるため、ベラフは大変気に入っていたという。しかしそれを見たナナチは耐えられず、自分自身をベラフに売りミーティを買い取った。ミーティを吸えなくなったのは不満ながら、ふわふわのミーティとともに、ふわふわナナチもずっとここにいるので大満足だという。
リコはベラフに、ミーティとナナチの買い取り交渉をした。リコそのもの、または髪の毛+左手のツメ五つ+全身の装備全てに加え、両目または両足または臓器の半分で譲るとした。リコは悩んだ末どれかを決めたらしいが、マジカジャが阻止し一命を取り留めた。
村の終末間際にナナチに自分の記憶を匂いとして与え、最期の時には同様にファプタにも記憶を匂いとして与えて消滅した。
三賢の一人。成れ果て村に呼び込んだ生き物「呼び込み」オオガスミが強すぎて村が滅ぼされそうになった時、「激しい営みを価値」とするジュロイモーが出てきてこの獲物と戦ったものの、全く歯が立たなかった。
レグがファプタの腕と耳を持って成れ果て村に入ってきた時に再登場し、レグを襲ったが、火葬砲により大ダメージを受けた。その後レグを押さえつける描写があるが、やがて村とともに消滅した。
ヴエロエルコとは面識がない存在だが、イルミューイがヴエロエルコから受けた特別な信号から作った存在。従って成れ果てではなく、村の一部である。そしてこのジュロイモーという名は、ヴエロエルコを拾った男の名でもあった。
かつての三賢の一人で、通称「ヴエコ」。人間の女性なので、今も地上語が話せる。決死隊「ガンジャ」として六層に来た生き残り。口ぐせは「ふへぇ」。
村の奥、ドグープ(目の奥)に幽閉されていたが、リコが開放した。この目の奥とは、イルミューイの頭の中である。
他のガンジャ残存メンバーは皆イルミューイに身も心も捧げ成れ果てとなったが、ヴエロエルコはそれを拒んだため人間のままである。ドグープに幽閉したのはワズキャンだが、なぜかヴエロエルコを全裸にしてから幽閉している。
結果として長く水も食料も(ついでにトイレも)ない場所に幽閉され行き続けることになるが、人間のままで悠久の時を過ごせた理由は不明である。イルぶるの中にいたため生きられたのだろうと思われるが、イルぶるが崩壊し村の外に出た時、ヴエロエルコは六層の呪いによって成れ果てとなった。
ヴエロエルコは元々は地上のどこかの国に住んでいたが、身寄りがなかったヴエロエルコを男が引き取り奴隷として肉便器にしていた。この男の名はジュロイモーといい、ヴエロエルコはこの男が以前入手していた「星の羅針盤」を奪って逃げ、決死隊「ガンジャ」の三賢兼性処理係としてアビスを目指したらしい。元飼い主だった男は単なるセックスでは満足しなかったらしく、ヴエロエルコは全身に火傷の痕がある。
胸が大きい。単行本7巻のカバー裏(カバーの内側)に例によって上半身裸で描かれている。この世界の掟では胸が大きい子は悲惨な末期を遂げる掟があり、多分に漏れず残念な生い立ちの末、村消滅後もしばらくは生きていたものの死亡し、ファプタに葬られ墓が作られた。
どうやらショタコンが性癖らしくレグ少年の柔肌をみて興奮しており、また単行本7巻のカバー裏ではリコの裸をみても興奮していたり単行本8巻ではイルミューイとも裸で抱き合っていたりするのでロリコンでもあるらしく、男女問わず子供が大好きらしい。マジカジャに正体がばれそうになった時とっさに放ったごまかす言葉も「クグふぁもホンでいっそす」(こどもはかわいいですね)だった。
アビスの原住民だったが、何らかの理由で子供が産めない体だったため捨てられ追放されたところを決死隊「ガンジャ」に拾われ、皆とともに六層に辿り着いた。
やがて水もどきに身体が蝕まれ死にかけたため、最後の望みとして欲望の揺籃を与えられた。徐々に体は成れ果てへと変化し子供を産めるようにはなったが、不完全な個体しか埋めなかった。体は徐々に巨大化し、また知性も失われた。もう一つの欲望の揺籃が与えられるが割れなかったため発動せず、そのまま村となり女王となった。決死隊「ガンジャ」で生き残った者たちは皆イルミューイに身も心も食わせ、成れ果てとなって彼女の一部となり、彼女を住みかに暮らすようになった。成れ果て村の「イルぶる」はイルミューイの成れ果てである。
イルミューイは欲望の揺籃を用いたワズキャンを飲み込み、都合三つの欲望の揺籃を持つようになる。
イルミューイは失意の果てに言葉や人としての知性すら失ってしまうが、ただ一つの目的で(本能的に?)生き続けていた。イルミューイがどうしても叶えたかった、たった一つの願いを叶えるため、最後の子供ファプタが村の外に産み落とされた。それは無念を晴らし自分の魂を解放すること、つまり村を村民ごと消滅させることであった。
三つの卵はこの時ファプタに受け継がれたためイルミューイは既に持っていないが、村での営みや来客がもたらす価値によってイルミューイは生かし続けられ、村は大きく強く発展することになった。
六層に棲む成れ果ての女性で、イルミューイの娘。「成れ果ての姫」であり「価値の化身」。
4本の腕と2本の足を持ち、記憶を失う前のレグを知っている。語尾に「そす」を付けることが多い。
ファプタはイルミューイが叶えたかったただ一つの願いを叶えるために産み落とされた、悲しい宿命の女性である。ただイルミューイは出産というよりは産卵をしており、その卵から孵っている。欲望の揺籃などいろいろな作用が働いたのだろうが、腕が4本あったり、深界六層の上昇負荷を受けなかったりしているため、元々人間だったイルミューイとは違ってかなり特殊な由来の成れ果てであるらしい。
ファプタは村「イルぶる」を滅ぼし母親(の魂)を解放することを目的としているが、恐らくはそれがイルミューイの願いだったのだろう。性質上、村の膜を越えて入ることができない(母親の胎内には戻れない?)が、レグの火葬砲によってイルぶるに穴があけられ、遂に母の体内へと入ることができた。
単行本6巻のカバー裏(カバーの内側)に例によって上半身裸で描かれている。胸は小さく、リコ並と思われる。例によってレグがそれを見て勃起したらしく、顔を赤らめ「不覚…」と述べている。レグは女の子の胸さえ見られれば満足で、胸の大きさは関係ないらしい。
ファプタが胸を隠すように付けている装備は、元々はレグのヘルメットについていた装備で、レグがファプタに譲渡した。
ラストダイブしたクラヴァリたちを追いかけてきた探掘家の女性。
テパステを巫女の手先と疑っている。
キャラバン船の薬師の女性。アニメでの声は日高里菜。瞳の色は黄緑色に近い金色で、ピンクの長い髪を不思議な形に編んでいる。眼鏡を使用している。
オースで流行していた、幼い子が誕生日に死ぬという謎の奇病に立ち向かうことになった。
滑落亭の常連探掘家。テパステとともに脱法ラストダイブに出る。
黎明卿ボンドルドがいる前線(フロント)経由は通して貰えないため、巣窟経由で六層に降りたという。具体的な場所や方法は不明だが、これによってクラヴァリは負傷した。
オースにある探掘家御用達酒場 滑落亭の給仕の店員で、胸が大きい女性。一人称「ぼく」のぼくっ娘である。
笛の種類は不明だが蒼笛以上ではあるらしく、プルシュカのように髪がカールする「奈落髪」となっている。
クラヴァリを先輩と呼び、ともに脱法ラストダイブに出る。
アビスに眠る未知なる人造物。それが異物である。原作者つくし卿によると、マジック・ザ・ギャザリングの影響を受けているという。
アビスで発掘される古代の人工物を遺物と呼ぶ。この
遺物は競売に掛けられる際に現在の価値観に応じたランク付けがされているらしく、四級から一級、特級遺物までがある。四級遺物でも海外には高く売れるとされ、主人公たちが最初に暮らしていたベルチェロ孤児院も、孤児達が探掘してくる遺物の売却益で運営されている。
つまり探掘されたまま探掘家が保有し競売に掛かっていないような遺物は等級が付かないため、こういったものは等級不明となる。
特級遺物にもなると国のバランスをも変えるとされ、またそれらを超える希少価値のある遺物は「奈落の至宝(オーバード;Aubade)」と呼ばれるが、このグレードになると存在は秘匿され、公にされることがない。白笛オーゼンによれば「オーバードが目録に載っていないのはね 見つかっていないからじゃない 存在しちゃいけないからさ」とされる。
以下、各級ごとに概ね登場順。名前の前の数字は単行本での初登場巻。
名前に反して「呪い除け」の効果はなく、恐るべき「中に入れた生命を生き返らせる力」を持っている。これによって死産だったリコは生命を得た。
ライザが購入し保有していて、時を止める鐘探掘時には深界四層まで持ち込み、偶然リコに使用した。無双の怪力を持つオーゼンをもってしても「非常に重い」といい、恐らくオーゼン以外に持ち運べる人間はいないと思われる。
ライザがラストダイブしてしまった現在はオーゼンが保有し、深界二層 監視基地にあるオーゼンの私室の奥に、座布団が敷かれその上に置かれている。とはいえ使い道もないので、ただ置かれているだけだったらしい。
これがインシネレーターなのは「マジック・ザ・ギャザリング」の影響で、「マジック」での火葬が「インシネレート」だったため、これはインシネレーターになった
後述する原生植物や原生動物は除く。
複数の階層に棲むものは、主として棲む階層または初登場階層に記載。
深界二層最下部、逆さ森の外周を生息地とするカバのような水棲生物。
元はアビス外、海外の生き物でアビス内に持ち込まれたものが偶然根付いたらしい。このため元からアビス内にいる生物と違って上昇負荷耐性は持っていないと思われ、アビスの端の方で暮らしている。
一頭で200人前にはなるとされるが、リコとレグがキャンプしたロオハナ水源の近くにいた個体はレグとリコに捕獲され内蔵は燻製にされ肉は煮て食べられてしまった。マルルクはコブ下の肉が好物らしい
カタカナとひらがなが混在するが、表記ゆれのようなものらしく、どちらでも意味は変わらないようである。
成れ果て村の言葉は、かつてイルミューイなども話していたようにアビスの原住民の言葉が元になっている。従って正式には表記方法もアビスの文字が使われる。
三賢含めかつては地上の言葉を話していた者も今はアビスの原住民の言葉を用いるようになったらしく、結果それがこの村の標準語となっている。
各単語は、表意文字として悠遠の文字(ビヨンドグリフ)1文字で表現できるらしい。日本語で意味が解読できたものは「」で囲って表記する。
単行本9巻までにヤ行は未登場。
恐らく二語以上で構成されているもの。
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