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エニックス(現スクウェア・エニックス)により1990(平成2)年2月11日に発売された、ドラゴンクエストの四作目。
オリジナルの動作機種はファミリーコンピュータ。
後にPlayStationに移植された。
PlayStation版は媒体がCD-ROMで、セーブ方式は外部メモリーである。7作目(ドラゴンクエストⅦ エデンの戦士たち)の後に作られたため、Ⅶで採用された技術が導入され、3Dマップを採用するなどのリメイクが行なわれている。
出荷本数は117万本だった。
前作までと違い、今回からは後に天空シリーズと呼ばれる三部作を構成する。
全部で5章で構成されていて、本編である第五章のまえに、4つのストーリーがあるオムニバス形式のストーリーを特徴とする。この4つのストーリーは主人公の仲間となる者たちがどのようにして主人公達に導かれてゆくのかを描いている。
第一章は戦士ライアン、第二章はアリーナ姫・神官クリフト・魔法使いブライ、第三章は商人トルネコ、第四章は踊り子のミネア・マーニャ姉妹であり、第五章ではこの逆順に勇者と合流することになる。
このようにゲームはパーティプレイに対応しているが、第一章は、ライアン一人のみでプレイする(途中、ホイミンが仲間にはなるが)。これは恐らく、まずは一人で頑張ってきちんと成果を出すことから始めなければ道は開けない、という哲学にも似た思想から、こうなったものと思われる。
なお、名前が設定できるのは主人公の勇者だけで、それ以外のキャラは名前が固定されている。
最大8人までのパーティプレイに対応した。戦闘や町の中の移動など、基本的には4人までというのは(ファミリーコンピュータというハードウェアの技術的都合により)前作までと同様だが、馬車を利用することで8人までパーティに参加できる。
また戦闘においては初めてAI機能が搭載され、主人公を除く仲間たちは主人公の作戦命令に従って自動的に動くようになった。AIには、最初の時点ではモンスターの弱点等が記録されていないため戦闘で経験を積むことでAIが強化されるという特徴があったが、この理由により「AIの頭が悪い」と評判が悪かった。
例えば中ボス戦、ラスボス戦などで無効な呪文を唱え続ける(例えばクリフトのザラキ)といった問題が発生した。
この仕様は問題であったらしく、後継の5作目(ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁)では大幅に改善が図られている。リメイク版でも5作目と同様のアルゴリズムが採用され、不具合は改善されたが、アホなクリフトという個性だけは残されており、やはりザラキを唱え続ける。
本作はオムニバスであるが、全体的に悲しい物語を集めたものとなっている。
ホイミスライムのホイミンが願い通りに人間になることができた、など明るい話もあるが、それ以外は殆どが悲しい話である。
プレーヤーが主人公(勇者)となる第五章も、突然のモンスターの襲撃、村人も勇者を守らんとして主人公を地下室に隠し、そして恋人であったシンシアはモシャスを唱えて勇者の姿となり身代わりとなって死んでしまう。絶望感と空虚さに苛まれながら、物語は進んでいくのである。
デスピサロもまた、悲しいラスボスである。愛するロザリーが人間に殺され、彼は大魔王と化したのである。更に、そのように仕向けたのは仲間であったはずのエビルプリーストであった。
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