ほしのこえ

2002(平成14)年2月2日から3月1日にかけて東京都世田谷区下北沢にある短編映画館 "トリウッド" にて初公開された自主制作フルデジタルアニメ。

2002(平成14)年4月19日に "MANGAZOO" よりDVD版が発売された。このDVD版には、"ほしのこえ" のキャラクターをプロ声優が演じた "声優版"。初回公開時と同じ "オリジナル版" が含まれている。また、ボーナストラックとして、1999(平成11)年制作の "彼女と彼女の猫" も収録されている。

人類は高度な宇宙文明を持った異星の生命体 "タルシアン" との戦争に突入していた。同じ中学校に通っていた "長峰美加子" と "寺尾昇" の二人は、お互いを淡い想いで意識する関係だった。だが、卒業後、昇は高校に進学したが、美加子は国連宇宙軍選抜チームの一人に選ばれて宇宙へと旅立っていった。今や、二人の間を辛うじて繋いでいるのは携帯電話での電子メールのやりとりである。やがて美加子の乗った宇宙船はダルシアンと戦いながら地球から8.4光年の彼方へと遠ざかっていく。それは、一通のメールが到達するのに8年5ヶ月もの年月がかかる程の遠い距離だった。

作品の背景となるシチュエーションは、数々のSFやOVAやテレビアニメなどでおなじみのものである。特に、OVA、"トップをねらえ!" の影響を色濃く感じさせる。しかし、濃密で叙情的な映像は、「商業作品以上」と言えるほどのクオリティの高さである。

340カットで25分に達するこの作品の映像部分の全ての制作作業は、監督である "新海誠" が、単独で、1台の "Power Mac G4" と市販アプリケーションを使って作り上げた。新海誠は、制作途中で退職するまで、アニメとは直接関係ないサラリーマンをしながらアニメーションを制作するアマチュアアニメ作家だった。前作の "彼女と彼女の猫" などですでに一部では評価が高かった新海誠であったが、この作品のWebなどでの予告編公開から口コミで評判が広がり、完成版が公開されると、アニメファンのみならず、各方面から絶賛を浴びるに至った。

声優
長峰美加子                武藤寿美 (声優版)
                          篠原美香 (オリジナル版)
寺尾昇                    鈴木千尋 (声優版)
                          新海誠   (オリジナル版)
スタッフ
脚本、演出、美術、編集    新海誠
音楽                      天門
作画協力                  辻恭平
音響制作                  岡部潔
音響効果                  パストラルサウンド
録音                      西村洋二
声優監督                  亀山俊樹
制作プロデューサー        萩原嘉博
制作補助                  相良聡人、岩本ゆう
国内販売担当              川口典孝
海外販売担当              角南一城
DVDパッケージ、ブックレット、メニューデザイン
                          新海誠
ブックレット原稿執筆      佐々木直
                          新海誠
                          天門
主題歌
「THROUGH THE YEARS AND FAR AWAY (HELLO, LITTLE STAR)」
  作曲  天門
  作詞  K.JUNO
  歌    Low

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