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シリンダーを冷却するのに特別な装置を持たず、外気によってシリンダーに付けられたフィンから放熱するエンジンのこと。
一般にシリンダー・ヘッドの表面温度は瞬間許容280℃、短時間では240℃、巡行・巡航では200℃に保つように設計する。
エンジンを空気にさらす必要から正面面積は増える。また、冷却効率の点から星型エンジンを採用することが多いが、そうするとますます正面面積が増えることになり、空気抵抗が増してしまう。高速を出すためには大出力なエンジンが必要であるが、高出力なエンジンはより冷却が難しくなる一方、空気抵抗の問題も切実になり、液冷式に比べ不利である。しかし、冷却システムを搭載しなくて済むので、エンジン重量が軽く済み、加速などの点で有利である。また、機構が簡単なので、液冷エンジンよりも低い工業レベルでも生産が可能で、故障率の低さ、メンテナンスのしやすさの点からも有利である。
そのような点から、旧日本軍、特に海上で運用することの多い日本海軍では殆どの航空機に空冷エンジンを搭載していた。
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