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鉛の含まれているガソリン。具体的には、添加剤としてアルキル鉛が使用されているガソリンのことをいう。
現在は排気ガス規制によって鉛を制限されているが、かつてはガソリンのオクタン価を高めるために鉛を添加していた。規制前は、高出力エンジンによく有鉛ガソリンが使われていた。
添加の目的は、次の二つである。
バルブシートとは、燃焼室と吸排気ポートの境界に付けられた、吸気弁、排気弁の弁座である。弁(バルブ)と接触することで、燃焼室の気密を保つ働きがある。
バルブシートは、バルブとの密着性を考えると少し柔らかい材質の方が適している。よって、摩耗防止のため潤滑が必要となった。
2ストエンジンの場合、この潤滑をオイルで行なっていたが、4ストではそうはいかない。このため、これをガソリンに添加されたアルキル鉛で行なっていたのである。
無鉛仕様車では、このバルブシートの材質変更で対応された。具体的には、耐熱、耐磨耗性に優れた特殊合金鋼を使用している。
有鉛ガソリン仕様のガソリンエンジンに無鉛ガソリンを入れてしまうと、オクタン価が低いのでエンジンがノッキングしてしまい、正常に回転できない。故障の原因になるので、有鉛エンジンに無鉛ガソリンを入れた場合には、添加剤を加える必要がある。
逆に、現在一般的な無鉛エンジンに有鉛ガソリンを入れてもエンジン自体には特段の影響はないことが多いが、時にエンジンの調子が悪くなることがある。また、触媒装置などを損なう恐れがある。
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