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平安時代に成立した、平安京を舞台とした長編小説。日本文学の最高峰に位置するとされる。作者は紫式部。
1008(寛弘5)年頃には宮中に流布していたと考えられている。
全五十四帖(巻)とする説が一般的である。
原文は歴史的仮名遣いで記述されているが、瀬戸内寂聴、与謝野晶子をはじめ、数多くの現代語訳が出版されている。また「女人源氏物語」のような外伝的な作品も多く見られるほか、源氏物語を原作としたまんが作品も多い。原作に忠実なものから、たった一冊で大枠が掴めるものまで多種多様である。
現代語訳のうち、角川書店より刊行された与謝野晶子版の全訳源氏物語 上/下巻は著作権が切れていることもあり、これを底本として青空文庫で無償公開もされている。
日本文学史上不可欠ながら、この作品を題材にした映像作品は意外と少ない。物語のスケールがあまりにも大きすぎて、映画の尺では表現しきれないという問題を抱えている。
光源氏の誕生から晩年にいたるまでの一生を描いた巻を正編とし、「桐壺」から「雲隠」までを言う。
その没後、光源氏の子供である薫と匂宮とを中心に描いたものを続編と言う。
また、「匂宮」「紅梅」「竹河」と「橋姫」以下の「宇治十帖」を言う。
正編、続編をさらに3つに分けることもある。
第一部は巻一「桐壺」から巻三十三「藤裏葉」までをいい、光源氏の誕生から39歳まで、光源氏の栄華と多くの女性との交渉が描かれている。
第二部は巻三十四「若菜」から幻の巻「雲隠」までをいい、富や地位と関わりない人間の内面の苦しみが中心となり、光源氏の晩年、39歳から52歳までが描かれている。
物語のトリを飾る第三部は、巻四十二「匂宮」から巻五十四「夢浮橋」までをいい、第一部・第二部で中心となった貴族世界を離れ、宇治の草庵を背景に、源氏の子ら薫・匂宮と宇治の八宮の姫君、大君・中の君・浮舟との恋が描かれている。
各帖には名前がある。但しこれは、紫式部が付けたものか、後世に付けられたものかは、はっきりしていない。
写本により様々な異名が使われているが、以下は一般的な帖名を一覧する。
全54帖とするため、雲隠を1帖に数える時は若菜を上下合わせて1帖とする。
夢浮橋は物語の最終話だが、実際には中途半端(に見えるよう)に終わっている。その事情は定かでは無いが、これを不満に思った読者も多かったらしく、古くより様々な補作が他者によって描かれたことが知られている。
第一部・第二部は光源氏が主人公、第三部は薫が主人公だが、それぞれの、そして外野も含めた多くの恋愛が描かれる。そもそも光源氏の子であるはずの薫は実は内大臣の長男である柏木との間の子である。
光源氏は超美男で天才で金持ちという完璧な設定だが、描かれる恋愛はありきたりではない。義理の母からヤンデレ、一途なブス、そして幼女(紫の上)を誘拐して養育してまで娶るなど、幼女から老婆まで守備範囲の広さも特徴である。
光源氏の相手の女性は次の通りである。
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