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仏教やインド哲学における時間の単位。サンスクリット語のkalpaの音写語である劫波、劫簸を略したもの。
ブラフマーが目覚めている昼間が我々の生きる世界の始まりと終わりであるとされる。
4つのユガで構成されるこの一つの周期をマハー・ユガといい、1マハー・ユガが終わると世界は消滅し、もう1マハー・ユガ同じ時間(夜)続き、これを繰り返すとされる。
これが1000回繰り返される。すなわち、1000回の昼間と1000回の夜があり、この周期が2劫であり、これがブラフマーの1日(以降、1神日と表記する)である。
ブラフマーの一生は神の年で100年(100神年)とされる。その時には世界は全て消えて無くなりブラフマーも姿を消すが、もう100神年経つと再び新たなブラフマーが誕生し、同じように繰り返すのだという。
インド哲学における循環する4つの時期(ユガ)を単位とし、4つのユガで1マハー・ユガとする。
1ユガは各時期ごとに長さが異なり、それぞれ4800、3600、2400、1200神年となるため、1マハー・ユガは合計で1万2000神年である。具体的には次の通り。
ブラフマーの1神年は360太陽年に対応するため、次の計算がなりたつ。
1マハー・ユガ=12,000神年×360太陽年=4,320,000太陽年
この4ユガすなわち432万太陽年が1マハー・ユガであり、なわち人間の目で見たときの世界の一周期は432万年である。
ブラフマーの1神日は2劫=2000マハー・ユガであるので、ブラフマーの1神日は86億4000万太陽年である。
1神日=4,320,000太陽年×2,000=8,640,000,000太陽年
ブラフマーの1神年は上述のとおり360太陽年である。
1神年は360神日であるので、次の計算がなりたつ。
1神年=360神日=360×8,640,000,000太陽年=3,110,400,000,000太陽年
すなわち、ブラフマーの1年は、人間の目で見たときは3兆1104億年となる。
ブラフマーの一生は100神年であるため、36,000神日=72,000劫、つまり311兆400億年となる。
36,000神日×8,640,000,000太陽年=311,040,000,000,000太陽年
仏教では、「大劫」「中劫」「小劫」が見られる。
殆どの仏典では、ヒンドゥー教とは違い、特に時間の長さは決められていない。そもそも仏教の世界にユガやブラフマーは登場しない。そして中劫と小劫は同義で、大劫がヒンドゥー教の劫に相当し、大劫を80分割したものが中劫(または小劫)である。
仏典のうち、「仏祖統紀」巻30・三世出興志第十四の記述だけは他と異なっており、次のようにある。
梵語劫波。此云分別時節(智論)以人壽八萬四千歲。百年命減一年。減至十歲。百年增一年(或云子倍父壽)復增至八萬四千歲。如是一減一增為一小劫。二十增減為一中劫。總成住壞空四中為一大劫(新婆沙論)今論過去現在未來三世各一大劫。
この説明によると、人の寿命は84000歳から始まり、100年ごとに1歳ずつ縮んでゆき、10歳になった後は再び100年に1歳ずつ増え、再び84000歳になるまでが1小劫、20小劫で1中劫、4中劫で1大劫、とされている。
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