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仮想通貨の一つであり、オープンソースの仮想通貨システムとして最初に普及したもの。
Bitcoinは、自称 中本哲史あるいはサトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)によって発案され、投稿された論文に基づいて実装され、運用が開始された。従って、事実上のBitcoin発明者とされている。
日本人名のようであるが、その正体は不明である。このためメディアでは様々な憶測が飛び交った。
しかし2016(平成28)年、オーストラリア人の起業家クレイグ・ライト(Craig Steven Wright)がその正体であると判明、本人も自供した。
中本哲史という名前は、18世紀の日本の思想史家で合理主義者の富永仲基から取ったとしており、ライト氏はその影響を受けたとしている。
管理者は存在しない。
その中で不正が発生しないようプロトコルは設計されており、毎回、コンピューターで10分程度を要する複雑な数式を計算することをユーザーに求めている。
Bitcoinは、中央集権や人為的な仲介を不在とする設計となっている。その上で信憑性を担保するためにサトシ・ナカモトにより発案されたのが、Bitcoinの中核技術である「ブロックチェーン」である。
Bitcoinでは、全ての取引履歴のデータはBitcoinに参加するコンピューターに分散して記録されており、すなわち分散データベースとなっている。
トランザクション(取引記録)は一つのブロックとしてまとめられ、そのブロックをチェーン状(鎖状)にして繋げて記録されていることから、ブロックチェーンという名が与えられている。
各ブロックはハッシュ値によって区別され、全ての正統な履歴は、起源から最新まで一つの鎖で繋がっている。この鎖を主鎖というが、主鎖以外にも鎖は枝分かれする可能性がある。こういった主鎖以外となるブロックは孤児と呼ばれ、孤児は見つかり次第ハッシュ値による多数決を実施し、正統な主鎖が決定されるようになっている。一度登録されたブロックは、後から改竄や削除はできない。
このブロックチェーンのメカニズムにより、例えば悪意ある誰かが自身の保有するBitcoin残高を偽装しようとしてもそれが履歴に存在しないことが確認可能なため、そういったものは取引の時点でトランザクションを拒否することも自動的にできる。
かくして、人の手を仲介することなく、自動的にセキュアに自由な金銭取引を実現することを可能とした。
Bitcoinは、単位は一般に「BTC」が使われている。
現行の仕様では、小数点以下8位0.00000001BTCまでの少額を扱うことができる。
コインの発生も通信プロトコルでなされている。
コインは通信プロトコルで自然発生しており、この持ち主のない新規のコインを探す作業が、新規コインを生成しようとする人が実際に行なっている通信プロトコル内部の処理となる。
コインの発生は上限で停止するため、いずれはこの範囲内でより細かい単位を用いて決済を行なうようになるものと思われる。
Bitcoinは取引所(交換サイト)で現金で購入することもでき、また取引所で現金に換金することもできる。Bitcoin同士の取引は人為的な仲介は不要だが、他の通貨との換金は、現金での外貨交換と同様に仲介が必要になる。
価格は変動相場制であり、しかもその値動きがかなり激しい。
しかも、取引所は勃興や倒産を繰り返しており、あまり安定していないようである。
かつて取引所の一つにBitfloorがあったが、2012(平成24)年9月、サイトへの不正侵入があり2万4000BTCが盗まれ、大損害を出して閉鎖してしまった。当時のレートでは1BTCが10ドル40セントで、盗まれた金額は25万ドル近い額ということになる。Bitcoinは、盗まれると破産もする存在である。
また2014(平成26)年2月28日には、東京にある取引仲介会社「マウントゴックス」(Mt. Gox)が民事再生法の適用を申請するという事件もあった。アメリカでは、ビットコインを敵視する当局にアメリカ国内の資産が差し押さえられ、資金繰りが悪化したことが原因であった。
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