日本神話の太陽の女神。光と秩序をもたらす。天照大御神とも。
神道における皇祖神で、伊勢神宮の内宮の主祭神であり、もともとは日神、或いは日の巫女と呼ばれていた。
日本書紀ではその本名を大日霎貴尊(オオヒルメムチノミコト)としている。天に居て照らす神の意。
創造神である伊邪那岐命(イザナギノミコト)が黄泉の国から逃げ戻り、穢れた身を清めるために筑紫の日向の橘の小門の阿波岐原で禊(みそぎ)をした際、左目を洗ったときに生まれた。
伊邪那岐命が右目を洗ったときに生まれた月読命(ツクヨミノミコト)と、鼻を洗ったときに生まれた須佐之男命(スサノオノミコト)の二柱は天照大神の弟であり、この二柱と並んで三貴子と呼ばれる。
ある日、葦原中国より来た弟の須佐之男命に暴れられ、大切な布織り機などを壊されてしまう。しかしこうなった理由には、天照大神自身の至らぬ点もあった。
天照大神はこれを嘆き、天岩戸に隠れてしまった。これが高天原の物語に描かれる天岩戸伝説である。
この描写により、天照大神は生まれながらにして完全完璧な神ではないことが分かる。父神・伊邪那岐命(イザナギノミコト)がそうであったように、皇祖神とされる天照大神さえ、最初は至らなさを持った神であり、大きな混乱によって成長を遂げるわけである。
天照大神には多くの子供がいるが、このうち天忍穂耳命(アメノオシホミミノミコト)がいて、この神にもまた子供がいる。
伝説ではこの内の一柱の邇邇芸命(ニニギノミコト)が天孫降臨した。もう一柱は天火明命(アメノホアカリノミコト)とされる。
そして邇邇芸命の曾孫(ひまご)が神武天皇であり、現在の皇族の始祖となったとされる。現在の皇族の地位は、父親を辿れば天照大神に至るという、天照大神との繋がりが全てと換言可能であろう。
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