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ソニー、松下電器産業(現・パナソニック)、ティアック(TEAC)の三社が共同で考案/規格化した音楽用磁気テープ。
オープンリール磁気テープは高音質だが取り扱いが不便、一方、民生に普及したコンパクトカセットは音質が悪い。そこで、その中間を取ったカセットテープ製品の一つがエルカセットだった。
テープ幅は1/4インチ(6.35mm)でオープンリールと同じ幅で、テープ速度は通常は9.5cm/sで使われた。オープンリールの中で最も遅い設定と同じであり、オープンリール並の音質を誇った。
磁性体は酸化鉄を用いた。幅が広くテープ速度も速く、もって高音質を実現させた。
しかしテープが大きく、携帯には全く向かなかった。
テープの磁性体は、コンパクトカセットと同様の種類が用意されている。
メタルテープは存在しない。
コンパクトカセットでは音質に満足できないマニア向けの製品だった。
マニアには受け入れられたものの、価格が高かったこともあり一般には普及しなかった。
コンパクトカセット側も、ドルビー方式によるノイズ低減技術の導入や、テープ自体の品質改良、デッキの改良など新技術がふんだんに導入され改良が進み、そしてメタルテープ(TYPE Ⅳメタルポジション)が導入され音質が良くなった。かくして、遂にエルカセットは普及することなく、市場から静かに姿を消した。
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