イラン神話

読み:イランしんわ
品詞:名詞

イランを中心に発展したゾロアスター教及び "アヴェスター" に記録が残されている神話群のこと。ペルシャ神話とも。

イランとインドは古代において同一の民族だったため、両者が持つ神話群には類似点が多い。それらに登場する神々は一般にアスラとデーヴァに分類する事ができ、インドでは前者、イランでは後者が悪神として扱われているのが特徴。

世界観としては、宇宙の歴史は1万2千年を四等分した時代からなり、それぞれ善神アフラ・マズダと悪神アンラ・マンユの戦況を表わしている。この二神はそれぞれ光明界と暗黒界に存在し、絶えず戦っているといわれている。

初めの三千年紀にアフラマズダはアンラ・マンユとの戦いが避けられないことを知り、第二の三千年紀で物質世界ゲーテーグを創造する。第三の三千年紀に悪の軍勢の侵攻が始まり、ついに光明界へ入ると光と闇が混在するようになる。アーリマンがそこにいた "原始の牛" と "原始の人" を殺すと、その死体や精液から地上に金属や人間が誕生する。この三千年紀はさらに三等分され、それぞれイマ・フシャエータ(閻魔)、悪竜アジ・ダ・ハーカ、スラエータオナが支配する。

最後の三千年紀になるとゾロアスターが誕生し、そして千年ごとに生まれる彼の子息の、最後の子サオシュヤントが世界を救済するという。この概念は後にキリスト教のメシア思想の発生に大きな影響を与えた。

イラン神話の神々
名称                  インド神話
アフラマズダ     主神   バルナ
ミスラ           太陽神 ミトラ
アンラ・マンユ   破壊神
アジ・ダ・ハーカ 悪竜

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