塩素
読み:えんそ
外語:Cl: Chlorium

 17族ハロゲン族に属する黄緑色の刺激性気体の典型非金属元素
目次

情報

基本情報

一般情報

原子情報

物理特性
 単体ではCl2分子として存在する。

同位体
 質量数は、28から51までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は二つある。
同位体核種天然存在比半減期崩壊崩壊後生成物
28Cl  陽子放射27S
29Cl  陽子放射28S
30Cl  陽子放射29S
31Cl  β+崩壊31S
32Cl  β+崩壊32S
33Cl  β+崩壊33S
34Cl  β+崩壊34S
34mCl  IT崩壊34Cl
35Cl75.77%安定核種(中性子数18)
36Cl308,000年β崩壊36Ar
EC崩壊36S
37Cl24.47%安定核種(中性子数20)
38Cl37.24分β崩壊38Ar
38mCl  IT崩壊38Cl
39Cl55.6分β崩壊39Ar
40Cl1.35分β崩壊40Ar
41Cl β崩壊41Ar
42Cl β崩壊42Ar
43Cl β崩壊43Ar
44Cl β崩壊44Ar
45Cl β崩壊45Ar
46Cl β崩壊46Ar
47Cl β崩壊47Ar
48Cl β崩壊48Ar
49Cl β崩壊49Ar
50Cl β崩壊50Ar
51Cl β崩壊51Ar
 安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。

性質
 殆ど全ての金属と化合する。猛毒で、漂白剤殺菌剤として広く使われている。
 水溶性で、液性は酸性。水溶液強酸で、塩素の一部が水と反応し次亜塩素酸(HClO)となる。具体的には、以下の反応が起こるといわれている。これは塩基と激しく反応し、腐食性を示す。
 Cl2+H2O→HCl+HClO
 ヒトを含む殆どの生物に対して有毒だが、多くの生物にとって必須の元素でもある。
 ヒトの場合、主に食塩から摂取され、成人では体内に約150gの塩素を持ち、これは胃液胃酸作りなどに使用される。
 地球大気中の成層圏にあるオゾン層を破壊する主因も、この塩素である。

安全性

危険性

有害性

環境影響

発見
 1774(安永3)年にスウェーデンのカール・ヴィルヘルム・シェーレ(Carl Wilhelm Scheele)が発見した。
 化学名Chloriumは、気体の色が黄緑であるため、ギリシャ語で「黄緑色」を意味するχλωρο'σ(chlo^ro's)から付けられた。

主な化合物

前後の元素
 
 16 硫黄 ‐ 17 塩素 ‐ 18 アルゴン

再検索