崩壊
読み:ほうかい
外語:decay

 原子核素粒子が、様々な影響を受けながら、幾つかの粒子の放出などを経て状態を変化させ、もって他の原子核や素粒子に変化すること。壊変ともいう。
目次

特徴
 崩壊には様々な種類がある。
α崩壊
α粒子を放出し、陽子2個と中性子2個小さい核種に変化する現象。
核分裂反応の一種でもある。
β崩壊
質量数を変えることなく、陽子・中性子の変換が行なわれる現象。
この現象にも様々なもの(モード)があり、β崩壊、β+崩壊、電子捕獲崩壊(EC崩壊)などを総じてβ崩壊という。
核異性体転移(IT)
他の崩壊により生じた原子核(娘核種)は大抵、エネルギー準位が安定状態よりも高い励起状態になる。この時、過剰なエネルギー電磁波(γ線)として放出し、基底状態へと落ち着く。
核異性体というのは、原子番号と質量数が同じで、エネルギー準位が異なるものをいう。例えば、113Inと113mInが互いに核異性体である。
この例では、その多くはIT崩壊を起こして113Inへと変化するが、この際に放出されるのはγ線であるため、原子核の原子番号や質量数は変化しない。
自発核分裂(SF)
核分裂のうち、中性子照射を受けることなく起こるもの。
超ウラン元素などでは、僅かではあるが自発的に核分裂を起こし、概ね半分程度の質量数を持った幾種類かの核分裂生成物を生じる。

反応例
 例えば、ウラン238は8回のα崩壊と6回のβ崩壊で安定な鉛206に変化する。
 またウラン235は7回のα崩壊と4回のβ崩壊で安定な鉛207に変化する。

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