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2GHz帯でTD-CDMAを利用し、モバイルブロードバンドサービスを提供する予定だった携帯通信会社。
新規参入他社と比べ、その資金バックボーンの貧弱さが指摘され、実際にサービスインができるのかどうか疑問視する声があった。
当初は2006(平成18)年秋にサービスインであったが、TD-CDMAの実証試験の遅れなどからサービス開始時期の延期が繰り返され、資金面での不安と共に技術的な不安も付きまとっている状況にある。
そんな中、日経BPが2007(平成19)年4月8日に「アイピーモバイルが携帯参入取りやめ、事業資金を集められず」という報道を行なったため、ついに来たかと業界内は色めき立ったが、当のアイピーモバイルはこの報道を否定した。
しかし、資金不足は周知の事実であった。
同社の筆頭株主である森トラストは2007(平成19)年7月13日、保有するアイピーモバイル株(発行済株式数比69.23%)を、米通信関連企業ネクストウェーブ・ワイヤレスに譲渡することで合意したと発表した。ネクストはこの買収により、日本の携帯市場から撤退した英ボーダフォングループ以来の外資参入を目指すとしている。
しかし、2007(平成19)年8月8日、ネクストウェーブ・ワイヤレスは再び森トラストに所有全株式を譲渡し、森トラストが再び筆頭株主となる。
2007(平成19)年10月2日の臨時株主総会にて、森トラスト所有全株式を杉村五男へ譲渡することとなり、手続き完了後速やかに譲渡を実施すると発表した。
そして2007(平成19)年10月30日、アイピーモバイルは携帯電話事業への参入計画を断念し、割り当てられた周波数帯を総務省に返上した。
また同日、東京地裁に自己破産の申し立てを申請した。負債総額は約9億円としている。
同社は2005(平成17)年11月に総務省から周波数帯の割り当てを受けた。そして2007(平成19)年11月9日迄に事業を開始しなければ携帯電話事業への参入資格を失い、周波数帯も返上せねばならなかった。
だが、事業開始に必要な資金調達は難航し、森トラストやネクストウェーブ・ワイヤレスへ支援を求めたが、いずれも頓挫した。
2007(平成19)年10月23日には香港の投資会社に事業開始に必要な140億円の資金支援を要請するなど、最後まで事業開始への意欲を示してはいたものの、調整に失敗し、ついに参入を断念せざるを得なくなった。
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