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ソニーとPhilipsが共同開発し、1999(平成11)年にリリースした高音質な音楽用光ディスク。
ディスクは従来のCDと同じ12cmサイズで、容量4.7Gバイトに高密度化されている。
単純な単層構造ディスクの他、高密度層を二枚貼り合わせて大容量化した二層ディスク、従来のCD互換の層を貼り合わせてCDプレイヤーでも再生可能にしたハイブリッドディスクが用意されている。
記録時間は、単層ディスクに2チャンネル(ステレオ)記録時で最大109分。
収録可能トラック数最大255で、各トラックごとに255ポイントまでのインデックス設定が可能。
著作権保護として物理的複製を困難にするウォーターマーク(ディスク上の物理的な透かし)と、データそのものを保護する暗号化機能が用意されている。
ハードウェア、ソフトウェアで何重にもプロテクトや暗号化が施され容易にはアクセスできないようになっているほか、スーパーオーディオCDドライブ自体がパーソナルコンピューター(PC)用に許可されなかった。
スーパーオーディオCDは、高音質など魅力的な要素はあったが、全く普及しなかった。音楽業界が普及のための努力をしなかった、というよりはむしろ、意図的に普及を阻害することばかりをしたからである。
ドライブが圧倒的に普及しておりハードウェア的には優位だったはずのDVD-Audioすらも同様の働きかけで失敗している状況で、いまさらスーパーオーディオCDが普及する見込みは低い。
音楽業界(特に日本の)は著作権保護を聲高に叫んだが、コンピューター業界の尽力で何とか普及したCDドライブ/CD-ROMドライブの普及率の上にあぐらをかくだけで、自分達は利権の維持を画策する以外に仕事をしなかったことが敗因の一つだった。
CDの時と同様に、コンピューター業界に働きかけてドライブを普及させ、低価格化させるなどの方法はあったが、それをせず、コピーコントロールCDなるまがい物を売る始末であった。
なお、既に世界では音楽はmp3などで売る、つまり音質はいまひとつだが著作権保護なし(DRMフリー)が常識化しており、その意味でもスーパーオーディオCDが普及する見込みは低い。コンセプトが需要に対して正反対すぎるのである。
ドライブが単体では市販されていないため、パーソナルコンピューター(PC)を使ってのリッピングは、技術的な問題以前に不可能である。
だが、これもスーパーオーディオCDに対応する初代PLAYSTATION 3(PS3)のファームウェアを書き換えるという強引な方法で、スーパーオーディオCDからDSDデータをリッピングすることに成功したとされる。
スーパーオーディオCDは、音楽業界のたゆみない努力により大切に大切に倉庫内で保護され、もってお茶の間に普及することはなく、結果としてスーパーオーディオCDから大切な大切な著作物が漏洩することはなかったのである(最後はPS3からリッピングされたが)。
しかし、DSD(Direct Stream Digital)方式自体はスーパーオーディオCDの専売特許ではない。後に、このDSDデータをDVDに書き込んだ、通称「DSDディスク」が登場した。知名度は皆無だが、対応機種は徐々に増えつつある。
DSDディスクはDVD-ROMなのでDVD対応のプレーヤーが必要だが、PS3もDSDディスクに対応しており、初代機から最新機種まで、全てでDSDディスクは再生できる。
なお、PS3も初期のCECH系ではスーパーオーディオCDに対応したが、CECH-2000系以降では対応が削除された。今売られているPS3は、スーパーオーディオCDは再生できないが、DSDディスクは再生できる。
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