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黄熱病の研究で知られる、世界的に有名な生物学者であり、医学者。幼名は清作。
1876(明治9)年11月9日〜1928(昭和3)年5月21日。
清作(英世)は1歳半の時に囲炉裏に落ち、左手に大火傷を負った。左手は手術をしたものの、ついぞ完治することはなかった。しかし、このことが切っ掛けで医学を知り、やがて医者を志す道を選ぶ切っ掛けとなった。そして後に世界を驚かすほどの業績を残すのである。事実、何回もノーベル生理・医学賞にノミネートされ、第一次世界大戦さえ起こらなければ受賞は確実であったとも言われている。彼が不幸だったのは、ドイツのコッホやフランスのパスツール、日本の北里柴三郎などの "細菌の狩人" 達が既にあらかた細菌を発見した後に登場した、ということであろう。戦国時代の伊達政宗のような感じである。
英世は、投資を集め、医学者として身を立てるという事業にそれを投入し世界に羽ばたいた。言ってみればベンチャー精神の権化ともいえる。踏み倒されるリスクが高かったのに多くの人が野口に投資したのも、野口にそれだけの魅力があったからであろう。
そして事業に失敗して債務不履行になるわけだが、彼の場合、それに留まらないところが凄いところである。とある金持ちの娘婿になることを条件に渡航費用を出してもらったのに、出発前に遊興費に全額使ってしまったり、実際に渡米したはいいが、それからアメリカ人女性と結婚して肝心の婚約まで不履行にしてしまったという豪快な人である。
そんな野口英世は南米で黄熱病の薬を作ったが、これはアフリカの黄熱病には効かなかった。そこで自らアフリカのアクラへ出張するが、この時、皮肉にも彼自身が黄熱病にかかり亡くなってしまった。
野口の仕事であるが、現在の医学で検証すると、その多くは誤りであるとされている。尤も、科学は進歩するものであるので、現在の基準で当時を評価しても無意味であるし、当時の人の業績が否定されるわけではない。しかし、時々データ捏造のようなことがあったと言われることがあり、それが事実だとすれば話は別である。だが真実は不明である。
2004(平成16)年度から発行される新紙幣、E千円券に描かれることとなった。
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