重度の精神異常の一つ。
幻聴、幻覚、異常行動や精神状態の異常などを特徴とする。
現実と非現実の区別や、論理的な思考ができなくなる。そして人や社会に対し正常な反応や行動ができなくなり、社会生活が営めなくなる。
統合失調症の原因は完全には解明されていないが、発症理由は遺伝子異常に起因するらしいと考えられていて、1番染色体や22番染色体などに、原因となる遺伝子が認められている。
つまり先天性疾患であり、少なくとも育て方が悪くて発病する、ということはない。病状は思春期後半以降に現われ始める。
発症患者の脳内ではドーパミン(神経伝達物質)への感受性が高まっていたり過剰産出などの症状があり、これが幻覚や妄想などを引き起こすと考えられている。
またセロトニンの分泌異常により、意欲減退や引きこもりなどの統合失調症の諸症状に関与することが分かっている。
現代では薬物療法で対応し、抗精神病薬(メジャートランキライザー)が用いられる。
自覚症状として、精神が分裂していくような感覚になるということから、かつては精神分裂病と呼ばれた。また、精神分裂病と呼ばれる以前は早発性痴呆症と呼ばれていた。
精神分裂病という名は適切と考えられたが、日本では2002(平成14)年、日本精神神経学会が「統合失調症」への変更を決定した。これは、言葉狩りだと考えられている。
なお、学会の動向とは別に、一般では今も昔も「気違い」と呼ばれており、言葉狩りをしたところで、偏見が無くなるとは考えにくい。
現在の日本の刑法第39条では「心神喪失者の行為は、罰しない」とされており、心神喪失者の犯罪に対する処罰は刑法の対象外となっている。
従って、死刑相当の犯罪(殺人罪、放火及び失火の罪、外患援助など)を犯しても、刑法で罪を問われることはない。
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