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飲む(経口)だけで人工妊娠中絶(堕胎)ができるとされる薬。緊急避妊法と呼ばれる避妊法で使われ婦人科などで処方されるアフターモーニングピルがあくまで避妊薬なのに対して、これはできた胎児を殺す胎児殺し薬である。インターネットの通販を通じ個人輸入で広く出回り問題となった。
具体的にはミフェプリストン(mifepristone)という抗黄体ホルモン剤が主成分で、商品名は "MIFEGYNE"、"Mifeprex" などである。
これはフランスで1980(昭和55)年に合成され、1988(昭和63)年に発売された。最後の月経から49日以内の妊娠初期に経口投与すると、受精卵の着床や妊娠維持に使われる黄体ホルモンの働きを抑えられ、延いては妊娠を終了させることができるとされる。
実際にはさらにもう一つ、プロスタグランジンを成分とするミソプロストル(misoprostol)という子宮収縮剤も2経口摂取する必要があり、二つの薬品を合わせて自然流産に近い中絶をしようとするのが経口妊娠中絶薬の目的である。
日本で主に出まわっていたものは中国で生産された製品で、抗黄体ホルモン剤が「米非司酮片」、子宮収縮剤が「米索前列醇片」という商品名である。
使用禁忌は、子宮外妊娠(卵管妊娠)の人。IUD(避妊具)使用者、慢性副腎機能不全患者、長期のステロイド服用者、この薬剤(プロスタグランジン製剤)にアレルギーがある人、出血傾向のある人、となっている。
中絶成功率は92〜95%で、100人に5〜8人程度は外科的処置、つまり手術が必要となるとされている。従って使用する場合は医師の付き添い等が必要不可欠。子宮外妊娠(卵管妊娠)でこの薬を服用してしまうと、卵管破裂を来し、胎児のみならず母親まで高確率で死亡する。
アフターモーニングピルでさえ副作用が強いのに、プロゲステロン(黄体ホルモンの一つ)の働きを抑えるような強力な薬品が人体に無害なわけはなく、痙攣や膣からの出血ほか、様々な副作用が起こる。出血は2週間くらい続くが、一月続くこともある。あまり出血が続くようであれば手術して止める以外にはない。
このことから、病院に行かずに済まそうと思って薬を買っても、結局は怖くなって、あるいは体調を崩して病院に行くことになるので無駄、ということである。このような薬は個人で購入して使えるようなものではない。
避妊に失敗した性交渉の翌朝なら経口避妊薬があるのでまだ間に合う。病院によってはぼったくられるし、副作用も相当強いが、勉強代だと思うことである。
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