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凹面鏡で集めた光(主に可視光線)を観察する望遠鏡。光を鏡で反射させて像をつくることから、反射式の名がある。
単純に凹面鏡と接眼レンズを同一光軸上に組み合わせると、小望遠鏡では観測者自身が星から来る光を遮ってしまう。この問題の処理が、反射望遠鏡を設計する上で重要であった。
世界最初の反射望遠鏡としては、イタリア人のズッキが1616(元和2)年に作ったとされる。これは凹面鏡と接眼レンズのみを利用したもので、凹面鏡の光軸から大きく離れていた場所で観察していたため良質な像が得られず、非実用的とされた。
その後しばらくは、鏡面作成の技術が稚拙だったこともあり、理論的な研究が先行した。1663(寛文3)年にはグレゴリーが、凸面鏡を2枚使ったグレゴリー式望遠鏡を設計しているが、必要な楕円面鏡が作れず作製には失敗している。
最初の実用的な反射望遠鏡はイギリスのアイザック・ニュートンが1668(寛文8)年に作った。凹面鏡で反射した光を、小さな平面鏡で約90°曲げて横から観察するもので、これをニュートン式望遠鏡という。その後、カセグレン式望遠鏡など、反射のさせ方を工夫した様々な反射望遠鏡が登場している。
また、鏡自体も当初は金属の表面を研磨した金属鏡であったが、より反射率の高い鏡として、研磨したガラスの表面に水銀でメッキしたアマルガム鏡、銀で鍍金した銀メッキ鏡へと変わってきた。20世紀初頭からは、酸化による劣化が銀鍍金より少ないアルミニウムメッキ鏡が一般的になった。
反射式は口径が大きなものでも現実的な価格で購入でき、また色収差もないという利点がある。その一方、筒内気流が発生しやすく温度差によって像が揺らぐため、望遠鏡を温度になじませる必要がある。また画面の周辺部にコマ収差が起こる欠点もある。
反射望遠鏡は、古くなった反射鏡は再メッキが必要になる(概ね10年に1回と言われる)など、メンテナンスは欠かせない。このため屈折式と比べ、扱いはやや面倒である。
一方、素人による反射鏡の自作も行なわれている。共擦り法と呼ばれるガラス同士をこすり合わせて研磨する手法、フーコーテストと呼ばれる放物面鏡の検査法などが確立しており、それが嵩じて副業的に他人に販売している人もいる。
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