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ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の火星探査機。ESA初の火星探査機で、2003(平成15)年6月2日17:45(UTC)(@781)にソユーズロケット(Soyuz/Fregat)により打ち上げられた。国際標識番号2003-022A。
この探査機は、周回機の軌道船(Mars Express Orbiter)と、着陸機ビーグル2(Beagle 2)からなり、火星表面の写真撮影や火星の砂の分析などを目的として作られた。ビーグルという名は、進化論で有名なチャールズ・ダーウィンが航海に使ったビーグル号に敬意を表して付けられた。
周回機は、高解像度ステレオカメラ(HRSC)、エネルギー中性原子解析装置(ASPERA)、全球フーリエスペクトロメータ(PFS)、可視光・赤外線鉱物スペクトロメータ(OMEGA)、地下探査レーダ高度計(MARSIS)、電波科学実験(MaRS)、紫外・赤外大気スペクトロメータ(SPICAM)が搭載されており、精度10mでの写真撮影や、精度100mでの遠隔からの鉱物探査機能などが可能である。
探査機ビーグル2は周回機の頭部に取り付けられ打ち上げられた。火星の土壌を採取し、内部のガスクロマトグラフィーや顕微鏡、メスバウワー分光計などの装置により、その組成が詳細に解析できる。
マーズ・エクスプレスは2003(平成15)年12月26日に到着するが、それに先立ち12月19日に着陸機ビーグル2が分離された。着陸機は2004(平成16)年1月から探査を開始予定だったが、着陸に失敗したらしく、着陸後行方不明となった。翌2月にESAは行方不明を宣言、着陸探査は残念ながら失敗してしまった。
周回機はその後も観測を続け、多くの写真を撮影した。そしてエネルギー中性原子解析装置(ASPERA)では太陽風が火星の電離層に入り込んでいることが確認された。これが火星が大気を失う原因となり大量に存在した水を失う原因になったと考えられている。また高解像度ステレオカメラ(HRSC)の画像から水流跡や海の跡の形跡が北半球上で発見されている。
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