ホメオパシー

読み:ホメオパシー
外語:Homeopathy 英語 , Homoeopathy 英語 , Homœopathy 英語
品詞:名詞

疑似医療、偽科学の代表的なもの。情報弱者を選択的に短命にするシステム。

目次

害をもたらすであろう物質を用意し、これをで極度に希釈する。これがホメオパシーである。

但しホメオパシーではその希釈の度合いが尋常ではないのが特徴で、最も広く使われる30Cとされる希釈は、1/100の希釈を30回、つまり10030倍の希釈率である。

こうして希釈した水を、砂糖玉に染みこませたものを「レメディー」といい、これを薬の代わりに用いる。

但し、ホメオパシーは効果が無い。病気(特に重いもの)は悪化する可能性が高い。なぜなら科学を無視している、完全なでたらめだからである。

水の記憶

実際に1/100の希釈を30回という希釈が行なわれていると仮定する。ホメオパシーでは「アボガドロ定数(約6.02×1023)倍を遥かに超えており、元の有害物質は残っていない」と説明されている。

しかしそれではただの水に過ぎない(それは事実だが)ため、その矛盾を解消するために「水が記憶している」と説明され、これによって自然治癒力を促し、もって治療効果があるとしている。

ただ結果としてこの主張は、水に現に溶けているどのようなものよりも、何も溶けていないものの方が効果をもたらすという矛盾をもたらしている。そもそもどのような水も、100%の純水でない限りはミネラルなど様々な物質を含んでいるのである。

効果はない

結論を先に言うと、ホメオパシーは全く効果が無い。

極端に水で希釈されたものは元の物質は含まれておらず、それは「ただの水」であり、つまり砂糖玉に染みこませているものは「ただの水」である。「ただの水」が薬代わりになるかどうかは考えるまでも無く、議論する必要すらない。なぜなら科学を無視してるからである。

「ただの水」なので「副作用がない」ことはもちろんだが、薬効(治療効果、主作用)もあるはずがない。物質がなくても薬効があると主張するため、根拠として「水が記憶している」と説明されているが、当然ながらこのような主張には科学的根拠はなく、荒唐無稽であるとしか言いようがない。

なお人体は不思議なもので、効くと信じて飲めば薬でなくても(ラムネ菓子でも)効くことがある。このため医薬品の実際の効果を確かめるための臨床試験においては、本物とプラセボ(偽薬)を投与し、その効果を比較することがなされている。ホメオパシー、レメディーの効果はこのプラセボと同じで、すなわち心理的な効果に過ぎず、治療としての有効性が存在しないことは海外でも複数の論文によって科学的に証明されている。

乳幼児や動物にも効果があるためプラセボではないという主張もあったが、まず効果を判断するのは人間であるため、その人間の主観、先入観が入ることで判断を誤らプラセボ効果を生み出すことになる。

このようなホメオパシーを「代替療法」などと呼ぶとまるで治療効果があるような印象を受けるため、「疑似医療」と扱う。医療の「真似」をしているに過ぎないことから、それなりに効果があるらしい祈祷などよりも更に下である。

問題点

ホメオパシーを、単なるおまじないだと割り切って現代医療と平行してやる分には問題は無いのかもしれない。だが、ホメオパシー信者の中には現代医療を否定し、ホメオパシーだけに頼ろうとする者がいる。

医者の治療(現代医療)を拒否し、ホメオパシーだけで治そうとして症状が悪化して、手遅れになって死亡する事例はいくつも報告されている。

そしてホメオパシーには「好転反応」といって症状が一時的に悪化するという考え方があり、これを信じると症状が悪化しても効果が出た証拠だと誤解することになる。

更にたちが悪いのが、助産師や妊婦などで自然派志向としてホメオパシーが流行していることがある。自分自身の判断でホメオパシーを信じ自分だけが死ぬのなら自己責任であり仕方ないが、判断力のない赤ん坊にホメオパシーを実施し、結果的に死なせてしまうことが国内外で多数報告されている。外国では両親が適切な治療をしなかったため子供を死亡させたとの理由で、殺人罪で実刑が出た事例もある。

用語の所属
疑似科学

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