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太陽系を球殻状に取り巻く「彗星の巣」が存在する、とする仮説のこと。および、この彗星の巣のこと。
1950(昭和25)年にオランダの天文学者ヤン・オールト(ヤン・ヘンドリック・オールト)が提案したもので、長周期彗星の軌道から存在を予言した。
2万天文単位〜10万天文単位以上(0.5〜1光年以上)の遠日点距離を持つ多数の彗星が球殻状に太陽系を取り巻いて公転しているという仮説に基づき、少なくとも1兆個以上の氷の天体が存在すると予測されている。
一般に太陽系と呼ばれるヘリオスフィア(太陽圏)の範囲が推定で約100天文単位程度とされるため、太陽の重力圏はそれよりもはるか彼方まで及んでいることが分かる。
現時点ではまだ見つかっておらず、存在も証明されず仮説の段階を脱していないが、仮に実在すればこの天体は太陽系外縁天体に属するものと考えられる。
オールトの雲は太陽から遠いため、太陽重力影響内とは言ってもその影響、束縛は弱い。そのため自主的に太陽に向かって飛来することはないと考えられている。
しかし、太陽系の近所を恒星が横切ると、その恒星の重力によって微小天体の軌道が乱数的に変化させられ、そのうちのいくつかは太陽に向かって接近する、と考えられている。こういった天体が太陽に近づくと、彗星として姿を見せると考えられている。
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