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アメリカとソ連(当時)が1972(昭和47)年5月26日、戦略核兵器を撃ち落と弾道弾迎撃ミサイル(ABM)の配備が「相互破壊の保証に基づいた核抑止が崩潰し、先制核使用につながる恐れがある」として結んだ条約。同年10月3日発効。
国土全土を防衛するシステムを禁じ、首都防衛とICBM発射機地防衛の2箇所に限ってABMの配備が許され(1974(昭和49)年7月の改訂でいずれか1箇所に限定)、海上や空中、宇宙空間などへの配備、移動型への拡張や実験、配備も禁じている。
1983(昭和58)年3月にレーガン大統領が提唱した戦略防衛構想(SDI)ではABM制限条約との両立性が問題となった。しかし、この時にはこの構想が日の目を見なかったため収まったが、この構想はその後も受け継がれ、クリントン大統領が弾道ミサイル防衛(BMD)構想の一環として国家ミサイル防衛(NMD)構想を打ち出した。当然この構想はABM制限条約に接触するため、アメリカは条約の改定を求めたが、ロシアや英仏などの諸国はそれに反対。国連総会も1999(平成11)年12月に条約の維持と強化を求める決議を採択した。しかし、あくまでもNMD配備にこだわるアメリカは2001(平成13)年12月14日、既にソ連は無く、米ソ間での核抑止という効力が薄まっている一方、テロリストやならずもの国家といった新たな敵に対処するという名目でアメリカは一方的な離脱をロシア政府に通告した(条約の規定により、正式な離脱は6ヶ月後)。
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