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日本の警察の特殊部隊。通称SAT。日本の特殊部隊としては、最も有名である。
SATの設立に当たっては、全員が陸上自衛隊の第一空挺団にレンジャーの訓練を受けたほか、ドイツのGSG-9の指導を受けた。
これはGSG-9が軍事組織の部隊ではないことや、ダッカ事件直後のルフトハンザ機ハイジャック事件に出動し、人質救出に成功していたためである。
GSG-9には、まず設立前の各種のノウハウの教授を受けたほか、隊員を現地に赴いて指導を受けたり、GSG-9の隊長が来日して指導も受けたりもしている。このため、設立直後は装備や訓練法などが、GSG-9と同一であった。
それ以外に、一部の隊員はSASに派遣されてその指導を受けたり、アメリカのFBIやSWATからも市街地における人質救出作戦などの指導を受けている。
国内の訓練場は、東京の江東区にある警視庁術科センターや、大阪の訓練センターにある他、陸上自衛隊駐屯地でも訓練が行なわれている。
隊員は25歳以下の独身男性に限られ、結婚すると除隊させられる。
また、隊員になると警察官名簿から名前が抹消され、同期でも所在が分からなくなる。除隊後も、自分がSAT隊員であった事は、一切口外してはならない。
外国の対テロ部隊の場合は、テロ組織からの隊員個人への報復を恐れてこの様な事をやっているが、SATの場合は元々はフェリーをハイジャックした犯人を射殺した警官を社会党(当時)系の弁護士が殺人罪で告訴したという経験から「組織(警察)が隊員を法的に守る」為に始めた制度である。
主な出動事件としてはまず、前身部隊の大阪府警の第二機動隊零中隊が1979(昭和54)年1月26日の三菱銀行北畠支店籠城事件に出動。犯人の梅川昭美を射殺している。
1992(平成4)年の東京都町田市民家篭城事件では、警視庁の第六機動隊第七中隊が突入を支援した。
1995(平成7)年6月21日の全日空857便ハイジャック事件ではやはり同部隊が函館空港に派遣され、北海道警機動隊の突入を支援している。
2000(平成12)年5月3日の西鉄高速バス乗っ取り事件では大阪府警と福岡県警に属するSAT部隊が広島県警に派遣され、広島県警の機動隊員の突入を支援した。この事件によって一躍SATの名が世間に知られることとなった。
この他、湾岸戦争では邦人救助のため民間機に同乗、サウジアラビアへ派遣され、ペルーの日本大使公邸人質事件ではペルー警察オブザーバーとして派遣されている。
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