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北朝鮮の開発した、準中距離弾道ミサイル。
「ノドン」という呼称はミサイルの発射場近くの地名、「蘆洞」からアメリカが付けた呼び名である。
北鮮ではロドン(로동、Rodong)と発音されるが、南鮮では訛りによりノドン(노동、Nodong)となり、日本では南側の発音で呼ばれている。
当初日本では、同じ発音の「労働」と表現されていたがこれは全くの誤りである。なお、北朝鮮ではこのミサイルのことは「木星」というらしい。
このミサイルは、主として日本を攻撃するためのミサイルであり、既に実戦配備されている。
ノドンと、それに関わる政治動向は以下の通り。
ノドン1号は1988(昭和63)年よりR-17(スカッドB)改造ミサイルの最終体型である火星6と並行して開発が開始された。
ノドン1号はそれまでの火星とは異なり、それまでに得たノウハウを集結し、新規に開発されたミサイルである。
火星6(スカッド改C)は、火星5(スカッド改B)に対してペイロードを1,000kgから770kgに軽減させた見返りとして長射程(火星5の320km〜340kmに対し500km)を得ていたのに対し、ノドン1号の射程は1,000km以上となり、更にペイロードも火星5を上回った。
ノドンミサイルはR-17型を4本束にしたもので、その基本構造はR-17型と同一であると言われている。これはR-17型と全長/直径比が同じであることからも説明が付けられる。
ノドンミサイルは1990(平成2)年5月に最初の発射実験が行なわれたが、この時は失敗に終わっている。
続いて1991(平成3)年8月に行なわれたテストで成功を収めた。
1993(平成5)年5月29日には、日本海に向けて発射テストを実施し、成功した。この時一緒に3発の火星6も発射された上、火星5の射程圏内である500kmしか飛翔していないため、日本側は直ぐにはノドンと分からず、1993(平成5)年6月11日のアメリカ軍からもたらされた情報によって初めてそれと判明した。
1,000km以上も飛翔できるミサイルを、なぜ半分以下の距離でしか飛翔テストさせなかったのかについては、様々な憶測が飛び交った。最初はテストの失敗説も囁かれたが、着弾海域にナジン級フリゲートとトン級掃海艇が待機しており、観測任務に就いていた事から、間も無くその説は消えた。
代わりに浮上したのが、全射程を発射方向に延長すると日本に辿り着いてしまうため、日本を刺激しないとの意図から短くしたのではないかという説である。その効果があってか、日本ではノドンミサイルの模様がメディアに流れると国民は沸いたが、国民性からすぐに忘れ去られ、僅か5年後のテポドン試射の際に再び同じ状態となったのである。
ノドンの発射実験は、当初は上に述べたものしか知られていなかった。またその後も、再実験などは行なわれなかった。
通常、実戦配備のためには10回以上の試射が必要とされるが、この理由により、やはり失敗だったのではないか、あるいは技術的蓄積を得るためだけの実験的ミサイルに過ぎなかったのではないか、などの憶測が流れた。
実際には、北朝鮮は少なくとも4〜5回の試射を実施しており、それ以外にも輸出先の国が実施した試射データも得ているとされ、十分な試射データを持っていた。このような誤った情報もあって、南鮮当局が1995(平成7)年9月にノドンが既に実戦配備されていると述べた際に、自衛隊の西元統合幕僚会議議長は「実戦配備の可能性は低い」と述べている。
しかし、実際に1994(平成6)年には実戦配備が行なわれていたのである。
日本の情報収集能力の低さや、自分の有利な情報を信じてしまうという体質が浮き彫りとなった。
ノドンは積極的に輸出され、外貨獲得の手段とされた。
パキスタンのガウリ1はノドンをベースに開発されたと見られているが、一説にはノドンそのものであるという。
また、ミサイル開発を北朝鮮に頼りきっているイランの場合、シャハブ1がワソン5(火星5、スカッド改B)、シャハブ2がワソン6(火星6、スカッド改C)であったのと同様に、シャハブ3はノドン1号そのものである。
ノドンの発射実験直後、既にそれはノドン1号と呼ばれ、後継のノドン2号が存在が明るみとなり、それはテポドンも異なるミサイルであると言われるようになった。
ノドン2号がどのようなものかは不明だが、既に対日実戦配備が行なわれているとされる。
一説によると、射程は4,000km〜6,000kmであるとされる。
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