ガドリニウム
読み:ガドリニウム
外語:Gd: Gadolinium

 銀白色の金属元素の一つ。
目次

情報

基本情報

一般情報

原子情報

物理特性

同位体
 質量数は、133から169までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は6つある。
 しかし、154/155/160については、長寿命放射性同位体であると考えられている。
同位体核種天然存在比半減期崩壊崩壊後生成物
133Gd   
134Gd β+崩壊134Eu
135Gd β+崩壊135Eu
136Gd β+崩壊136Eu
137Gd β+崩壊137Eu
138Gd β+崩壊138Eu
139Gd β+崩壊139Eu
140Gd β+崩壊140Eu
141Gd β+崩壊141Eu
142Gd β+崩壊142Eu
143Gd β+崩壊143Eu
144Gd β+崩壊144Eu
145Gd β+崩壊145Eu
146Gd48.27日EC崩壊146Eu
β+崩壊146Eu
147Gd1.586日EC崩壊147Eu
β+崩壊147Eu
148Gd74.6年α崩壊144Sm
149Gd9.28日EC崩壊149Eu
β+崩壊149Eu
α崩壊145Sm
150Gd179万年α崩壊146Sm
151Gd124日EC崩壊151Eu
α崩壊147Sm
152Gd0.20%108兆年α崩壊148Sm
(2β+崩壊)152Sm
153Gd241.6日EC崩壊153Eu
154Gd2.18%安定核種(中性子数90)
155Gd14.80%安定核種(中性子数91)
156Gd20.47%安定核種(中性子数92)
157Gd15.65%安定核種(中性子数93)
158Gd24.84%安定核種(中性子数94)
159Gd β崩壊159Tb
160Gd21.86%>3.1×1019  
161Gd3.6分β崩壊161Tb
162Gd β+崩壊162Tb
163Gd β+崩壊163Tb
164Gd β+崩壊164Tb
165Gd β+崩壊165Tb
166Gd β+崩壊166Tb
167Gd β+崩壊167Tb
168Gd β+崩壊168Tb
169Gd β+崩壊169Tb
 安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。

特徴
 ガドリニウムは中性子をよく吸収する性質があり、原子炉制御棒材料として使われている。
 光磁気ディスクの磁性材料にも使われている。

安全性

危険性

有害性

環境影響

発見
 1794(寛政6)年、ヨハン・ガドリン(Johan Gadolin)によりストックホルム近郊のイッテルビー村で採取された鉱物から発見された。後にこの鉱物はガドリン石と呼ばれるようになり、またガドリンはこの元素にイットリアと命名した。但し、このイットリアは実際には純粋ではなく、その後の研究により、最終的には九種類もの希土類元素が含まれていた。
 またこれとは別に、当時一つの元素だと考えられていたジジミウムも、実は混合物であった。こうして、このジジミウムから次々と元素が単離されていった。
 スイスの化学者マリニャックは、1880(明治13)年に元素を発見した。1886(明治19)年、フランスのボアボードランにより、この元素が未知の元素であることが見いだされた。
 元素名は、希土類元素を発見したガドリンにちなむ。ボアボードランはガドリンの功績を讃え、この名を命名した。
 具体的には、次のように単離されている。ジジミウムの系統樹は次のとおり。
 イットリアの系統樹は次のとおり。

主な化合物

前後の元素
 
 63 ユウロピウム ‐ 64 ガドリニウム ‐ 65 テルビウム

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