ルテチウム
読み:ルテチウム
外語:Lu: Lutetium

 銀白色の金属元素の一つ。
目次

情報

基本情報

一般情報

原子情報

物理特性

同位体
 質量数は、150から184までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は一つのみ。
 しかし、これは長寿命放射性同位体であると考えられている。
同位体核種天然存在比半減期崩壊崩壊後生成物
150Lu 陽子放射149Yb
β+崩壊150Yb
151Lu β+崩壊151Yb
152Lu β+崩壊152Yb
153Lu β+崩壊153Yb
154Lu β+崩壊154Yb
155Lu α崩壊151Tm
β+崩壊155Yb
156Lu α崩壊152Tm
157Lu β+崩壊157Yb
158Lu β+崩壊158Yb
159Lu β+崩壊159Yb
160Lu β+崩壊160Yb
161Lu β+崩壊161Yb
162Lu β+崩壊162Yb
163Lu β+崩壊163Yb
164Lu β+崩壊164Yb
165Lu β+崩壊165Yb
166Lu β+崩壊166Yb
167Lu β+崩壊167Yb
168Lu β+崩壊168Yb
169Lu1.42日EC崩壊169Yb
β+崩壊169Yb
169mLu   
170Lu2.012日EC崩壊170Yb
β+崩壊170Yb
171Lu8.24日EC崩壊171Yb
β+崩壊171Yb
172Lu6.70日EC崩壊172Yb
β+崩壊172Yb
173Lu1.37年EC崩壊173Yb
174Lu3.31年EC崩壊174Yb
β+崩壊174Yb
174mLu   
175Lu97.41%安定核種(中性子数104)
176Lu2.59%>3.78×1010β崩壊176Hf
176mLu   
177Lu6.71日β崩壊177Hf
177mLu   
178Lu β崩壊178Hf
178mLu   
179Lu β崩壊179Hf
180Lu β崩壊180Hf
181Lu β崩壊181Hf
182Lu β崩壊182Hf
183Lu β崩壊183Hf
184Lu β崩壊184Hf
 安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。

安全性

危険性

有害性

環境影響

発見
 1794(寛政6)年、ヨハン・ガドリン(Johan Gadolin)によりストックホルム近郊のイッテルビー村で採取された鉱物から発見された。後にこの鉱物はガドリン石と呼ばれるようになり、またガドリンはこの元素にイットリアと命名した。
 但し、このイットリアは実際には純粋ではなく、その後の研究により、最終的には九種類もの希土類元素が含まれていた。
 まず1843(天保14)年、スウェーデンのモサンダーは、イットリアは三つの元素からなることを見出した。そこでイッテルビー村(Ytterby)の名を三分割し、それぞれにイットリア、テルビア、エルビアと命名した。そしてそれぞれに、イットリウム(Y)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)の元素名が与えられた。
 1878(明治11)年、スイスの化学者マリニャックは、エルビアが純粋でないことを見出し、新元素を発見した。元素名が地名だったので彼も地名にこだわるが、既に村名は三分割して使われている。そこで村名をそのまま使い、イッテルビウムと命名した。
 しかし、このイッテルビウムも純粋では無かった。1907(明治40)年、フランスの化学者ジョルジュ・ユルバンにより、イッテルビウムは二つの元素からなることを発見した。そのうち一つはイッテルビウムとし、もう一つはユルバンの故郷パリの古称ルテチアからルテチウムと命名された。
 具体的には、次のように単離されている。

主な化合物

前後の元素
 
 70 イッテルビウム ‐ 71 ルテチウム ‐ 72 ハフニウム

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