カリウム
読み:カリウム
外語:K: Kalium

 1族アルカリ金属に属する銀白色の金属元素。
目次

情報

基本情報

一般情報

原子情報

物理特性

同位体
 質量数は、32から56までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は二つある。
同位体核種天然存在比半減期崩壊崩壊後生成物
32K 陽子放射31Ar
32mK   
33K 陽子放射32Ar
34K 陽子放射33Ar
35K β+崩壊35Ar
36K β+崩壊36Ar
37K β+崩壊37Ar
38K β+崩壊38Ar
38m1K   
38m2K   
39K93.2581%安定核種(中性子数20)
40 K0.0117%12.7億年β崩壊40Ca
EC崩壊40Ar
β+崩壊40Ar
40mK   
41K6.7302%安定核種(中性子数22)
42K12.36時β崩壊42Ca
43K22.3時β崩壊43Ca
44K β崩壊44Ca
45K β崩壊45Ca
46K β崩壊46Ca
47K β崩壊47Ca
48K β崩壊48Ca
49K β崩壊49Ca
50K β崩壊50Ca
51K β崩壊51Ca
52K β崩壊52Ca
53K β崩壊53Ca
54K β崩壊54Ca
55K β崩壊55Ca
56K β崩壊56Ca
 安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。

特徴

反応
 空気中では瞬時に酸化する。
 と激しく反応して水素ガスを発生するため発火、爆発の危険がある。水に触れてはならないため、保管は常に鉱油中にて行なう。
 水や二酸化炭素など一般的な消化剤と激しく反応するため、万一出火した場合でも水や二酸化炭素を用いてはならない。カリウムが存在する場合には、消防にその旨を伝えるべきである。

栄養

必須元素
 カリウムは必須ミネラルの一つで、日本では概ね成人で2000mgを摂るべきとされる。
 代謝、浸透圧や血液pH、血圧の維持、神経刺激の伝達、電位差の維持、水分保持など、体内では様々に使われている。

過剰摂取は危険
 いわゆる「にがり」(塩化カリウム)などで簡単に摂取できる。
 だが、カリウムは多すぎると心臓の働きを止めてしまうため、適量の摂取が必要である。
 血管に注射すると、高カリウム血症で心停止を招き死亡する。薬殺などで使われる。

生成
 カリウムは、宇宙において、より軽い元素から中性子捕獲によって生成されると考えられている。通常の核融合の経路にはないことから、恒星が超新星爆発する際のr過程にて合成されると考えられている。
 地球で天然に産出するものは39K(93.3%)、40K(0.0117%)、41K(6.7%)の3同位体で、うち40Kは半減期12.7億年の放射性同位体である。
 太陽と地球は約46億年前に誕生しているが、超新星爆発で生成された40Kはこの時に地球に取り込まれ、以降、12.7億年の半減期で量を減らしながらも、今も自然界に存在しているということになる。

安全性

適用法令

危険性

有害性

環境影響

発見
 1807(文化4)年にイギリスのハンフリー・デービーによって発見された。
 英語名Potassiumはデービーが命名した。由来は諸説あり、英語の海藻の灰potash、またはpot(鉄製のつぼ)+ashes(木の灰)からできたとされる。
 ラテン語名Kaliumは1809(文化6)年にギルバート(Ludwig Wilhelm Gilbert)が命名した。これは、木炭から取れることから、アラビア語の灰(al-qali)から命名されたと言われている。

主な用途
 原子炉の冷却材などとして使われている。

主な化合物

前後の元素
 
 18 アルゴン ‐ 19 カリウム ‐ 20 カルシウム

再検索