カリウム40
読み:カリウム-よんじゅう
外語:40 K
カリウム
の同位体の一つで、
放射性カリウム
の一つ。
目次
情報
概要
特徴
放射能
生成
地球での量
毒性
生体への影響
情報
記号:
40
K
原子番号
: 19
質量数
: 40 (陽子19、中性子21)
天然存在比: 0.0117%
半減期
: 12.7億年
崩壊
の種類:崩壊後生成物
β崩壊
(β
−
崩壊) →
40
Ca
β崩壊(EC崩壊) →
40
Ar
β崩壊(β
+
崩壊) →
40
Ar
主な由来
恒星内での
r過程
概要
天然カリウム中に0.0117%含まれる、
放射性同位体
である。
約12.7億年と長い半減期を持っており、このため約46億年の歴史を持つ地球上にも残っている。カリウムは地球の地殻の約2.6%を占めており、その中のカリウム40から出る
γ線
は、代表的な
自然放射線
の一つである。
カリウムは
必須主要元素
ということもあり日常的に摂取される。但し同等量が排出されているため、体内の量は概ね一定に保たれる。
カリウム40の放射能はさほど強くないが、動植物体内中には豊富に存在するため、
ウラン235
(
235
U)、
トリウム232
(
232
Th)とともに3大
自然放射能
の一つを占めている。
特徴
放射能
動植物にとってカリウムは必要不可欠で、また自然界にも豊富に存在する。
成人には
体重
1kg当たり2g程度のカリウムがあるとされる。成人では一人当たり約4000
ベクレル
(Bq)のカリウム40が存在し、一日あたり約50から75ベクレルのカリウム40が摂取されるが、概ね同量が排出される。
体内に在する
自然放射能
カリウム40による年間の被曝線量は、0.17
ミリシーベルト
とされる。
生成
カリウム40に限らずカリウムは、宇宙において、より軽い元素から
中性子捕獲
によって生成されると考えられている。通常の
核融合
の経路にはないことから、恒星が
超新星爆発
する際の
r過程
にて合成されると考えられている。
超新星爆発によって生成されたカリウム40は、その後
太陽系
が形成される際に
地球
にも取り込まれ、今に至るものと考えられる。
地球での量
カリウムは、
地球型惑星
(岩石惑星)に多く存在し、地球にも豊富に存在する。
地球の場合は、地中の岩石(おもに
花崗岩
)に含まれるカリウム40(
40
K)や
ウラン235
(
235
U)などの崩壊が
地熱
の主要な熱源となっており、崩壊後生成物であるアルゴン40(
40
Ar)は地球大気の主要な成分の一つとなっている。
このアルゴンから、かつて地球にあったカリウム40の量を推定することもできる。
アルゴンの安定核種は3種(
36
Ar、
38
Ar、
40
Ar)あるが、恒星の核融合で作られる同位体は
36
Arのみである。地球上では
36
Arは僅かで、全体の99.600%が
40
Arである。
これは、地球上のアルゴンの殆どが
40
Kの崩壊で作られたためで、生成された
40
Arが大気中に放出され、これが蓄積された結果、この特徴的な同位体比率となった。
40
Arの半減期(12.7億年)と地球の年齢(46億年)から逆算すると、地球誕生当時は現在の12倍以上(2
46/12.7
≒12.3)の量のカリウム40があったと推定できる。
毒性
毒性自体は、
安定同位体
の
カリウム
と同じ。
生体への影響
科学技術庁告示第五号 平成十二年科学技術庁告示第五号(放射線を放出する同位元素の数量等)
における、カリウム40の実効線量係数(ミリシーベルト/ベクレル)は、次のとおりである。
吸入摂取した場合 (すべての
化合物
) 3.0×10
−6
経口摂取した場合 (すべての化合物) 6.2×10
−6
つまり、10,000ベクレルを経口摂取した時の実効線量は0.062
ミリシーベルト
(62
マイクロシーベルト
)である。
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