ラドン
読み:ラドン
外語:Rn: Radon

 18族希ガス族に属する、無色の非金属元素。放射性元素
目次

情報

基本情報

一般情報

原子情報

物理特性

同位体
 質量数は、195から229までが確認されており、その中に核異性体も存在する。
 安定同位体は存在しない。全ての同位体が放射性同位体で、かつ半減期も短い。
 崩壊の種類については一例。これとは異なる崩壊をすることもある。
同位体核種天然存在比半減期崩壊崩壊後生成物
195Rn   
196Rn α崩壊192Po
197Rn α崩壊193Po
198Rn α崩壊194Po
199Rn α崩壊195Po
200Rn α崩壊196Po
201Rn α崩壊197Po
β+崩壊201At
202Rn α崩壊198Po
β+崩壊202At
203Rn α崩壊199Po
β+崩壊203At
204Rn α崩壊200Po
β+崩壊204At
205Rn β+崩壊205At
α崩壊201Po
206Rn α崩壊202Po
β+崩壊206At
207Rn β+崩壊207At
α崩壊203Po
208Rn α崩壊204Po
β+崩壊208At
209Rn β+崩壊209At
α崩壊205Po
210Rn2.42時α崩壊206Po
EC崩壊210At
211Rn14.6時α崩壊207Po
β+崩壊211At
212Rn23.9分α崩壊208Po
213Rn19.ミリ秒α崩壊209Po
214Rn0.27μ秒α崩壊210Po
215Rn2.30μ秒α崩壊211Po
216Rn45μ秒α崩壊212Po
217Rn0.54ミリ秒α崩壊213Po
218Rn35ミリ秒α崩壊214Po
219Rn微量3.96秒α崩壊215Po
220Rn微量55.6秒α崩壊216Po
221Rn25.7分β崩壊221Fr
α崩壊217Po
222Rn微量3.824日α崩壊218Po
223Rn23.2分β崩壊223Fr
224Rn1.78時β崩壊224Fr
225Rn β崩壊225Fr
226Rn β崩壊226Fr
227Rn β崩壊227Fr
228Rn β崩壊228Fr
229Rn   

性質

化学的性質
 ラドンは希ガスなので、反応性が低く、化学的には安定している。
 但し放射性同位体しか存在しないため、実用化はされていない。

同位体
 放射性同位体ではあるが、3同位体については微量ながら天然に存在し、各々に系列から名前が付けられている。
 おのおのの崩壊系列から徐々に補給されるため、半減期が短いながら天然に存在するということである。

崩壊
 同位体が、おのおの次の崩壊系列に属している。
 安定した同位体は存在しない。最長寿命の核種は222Rnで、半減期は3.82日。222Rnは226Raα崩壊によって生成し、空気中や地下水中にごく微量含まれる。

温泉
 「放射性物質」とか「放射能」とか聞くと目の色を変え拒絶反応を示す日本人だが、ラジウム温泉と聞けば放射性物質と知りながら喜んで入浴するのは、まさに東洋の神秘である。
 入浴や飲用すれば被曝する。ただし温泉自体の線量は弱いので、今のところラジウム温泉での被曝により何らかの問題が生じたという報告はない。
 むしろ微量の被曝により新陳代謝が促進され、疾病への抵抗力増強などの効果があり、延いてはリウマチや通風などに効くとされ、古くから湯治に使われている。ただ、実際の効能についての学術的な論拠はない。

特徴

安全性

適用法令

危険性

有害性

環境影響

発見
 1898(明治31)年にドイツの科学者フリートリッヒ・エルンスト・ドルン(Friedrich Ernst Dorn)がラジウムの崩壊の研究中に発見した。
 化学名Radonは、ラテン語で「輝き」を意味するnitonと、Radium(ラジウム)から付けられた。

主な化合物
 次のような化合物が存在するとされている。

前後の元素
 
 85 アスタチン ‐ 86 ラドン ‐ 87 フランシウム

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