ポロニウム210
読み:ポロニウム-にひゃくじゅう
外語:210 Po

 ポロニウム同位体の一つ。自然放射能の一つ。
目次

情報

概要
 ポロニウム210は、ウラン・ラジウム系列に含まれる同位体であるため、ウラン238から始まる崩壊の継続により随時補充される。従って、半減期はごく短いながらも、ごく微量が天然に存在する。
 また、グラムあたり約166兆ベクレルと、ごく微量でも強い放射能を持っており、これがキュリー夫妻によるポロニウム発見につながった。

補足

人体内
 人体内にはポロニウム210として約20ベクレルが存在するとされる。

暗殺
 微量でも強い放射能を持つことを利用して、ロシアでは暗殺にポロニウム210を使うらしい。

たばこ
 煙草の葉の中にもポロニウム210が含まれており、これに伴う健康被害(ガンなど)のリスクが様々に評価されている。

特徴

崩壊
 半減期は138.4日で、α崩壊する。
 α崩壊し、α線を放出して、の安定核種である鉛206(206Pb)になる。
 稀だが、代わりに鉛206m(206mPb)になることがあり、この場合はIT崩壊時にγ線を放出する。

生体への影響
 科学技術庁告示第五号 平成十二年科学技術庁告示第五号(放射線を放出する同位元素の数量等)における、ポロニウム210の実効線量係数(ミリシーベルト/ベクレル)は、次のとおりである。
 つまり、10,000ベクレルを経口摂取した時の実効線量は2.4ミリシーベルト(2400マイクロシーベルト)である。

再検索