ニッケル
読み:ニッケル
外語:Ni: Niccolum

 10族に属する銀白色遷移金属元素
目次

情報

基本情報

一般情報

原子情報

物理特性

同位体
 質量数は、48から79までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は五つある。
 なお、このうちニッケル58(58Ni)は、長寿命放射性同位体であるらしく、一説では半減期7垓年以上とも言われる。
同位体核種天然存在比半減期崩壊崩壊後生成物
48Ni 2陽子放出46Fe
49Ni β+崩壊49Co
50Ni β+崩壊50Co
51Ni β+崩壊51Co
52Ni β+崩壊52Co
53Ni β+崩壊53Co
54Ni β+崩壊54Co
55Ni β+崩壊55Co
56Ni6.077日EC崩壊56Co
57Ni35.60時EC崩壊57Co
β+崩壊57Co
58Ni68.0769%>7×1020(2β+崩壊)58Fe
59Ni7.6万年EC崩壊59Co
β+崩壊59Co
60Ni26.2231%安定核種(中性子数32)
61Ni1.1399%安定核種(中性子数33)
62Ni3.6345%安定核種(中性子数34)
63Ni100.1年β崩壊63Cu
64Ni0.9256%安定核種(中性子数36)
65Ni2.5172時β崩壊65Cu
66Ni2.28日β崩壊66Cu
67Ni β崩壊67Cu
68Ni β崩壊68Cu
69Ni β崩壊69Cu
70Ni β崩壊70Cu
71Ni β崩壊71Cu
72Ni β崩壊72Cu
73Ni β崩壊73Cu
74Ni β崩壊74Cu
75Ni β崩壊75Cu
76Ni β崩壊76Cu
77Ni β崩壊77Cu
78Ni β崩壊78Cu
79Ni β崩壊79Cu
 安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。

特徴

用途
 ステンレス鉱などの合金成分のほか、電極、形状記憶合金、メッキなどに使われる。貨幣にも使われ、日本の場合は、五十円玉、百円玉、五百円玉にニッケルが含まれている。
 充電池の正極によく使われている。

生産
 2018(平成30)年現在、上位5ヶ国でニッケル生産量の全体の2/3を占める。
  1. インドネシア 25%
  2. フィリピン 14%
  3. ロシア 11%
  4. ニューカレドニア 9%
  5. カナダ 7%

発見
 1775(安永4)年にスウェーデンの科学者ベリマンによって発見された。
 名前の語源は、ドイツ語で悪魔の銅を意味する「Kupfernickel」から。これは、ニッケル鉱石が銅鉱石に似ているため、銅があると思って精錬しても銅が得られず、(当時使いみちのない)ニッケルしか得られなかった。そこで、有用な金属を悪魔が「駄目」な金属にしたのだというような理由から、いつしかこのように呼ばれるようになったとされている。

主な化合物

反応性
 によく似た性質があり、強磁性である。

安全性

危険性

有害性

環境影響

前後の元素
 
 27 コバルト ‐ 28 ニッケル ‐ 28

再検索