ニッケル63
読み:ニッケル-ろくじゅうさん
外語:63 Ni
ニッケルの同位体の一つ。
情報
- 記号: 63Ni
- 原子番号: 28
- 質量数: 63 (陽子28、中性子35)
- 天然存在比: ‐
- 半減期: 100.1年
- 比放射能: 2.09×1012 (2兆900億Bq/g)
- 比放射能の逆数: 4.78×10−13
- 崩壊の種類:崩壊後生成物
- 主な由来
- 62Ni (中性子捕獲)
- 63Co (β−崩壊) 半減期未詳
概要
恒星の核融合の経路には存在しない同位体である。
天然には、ニッケル自体の中性子捕獲により質量数を増やす経路が一般的と考えられる。質量数58から64までのニッケルは半減期が長いまたは安定核種なので、原子核が崩壊する前に中性子捕獲できる可能性が高い。
特徴
用途
ニッケル63には色々な利点があり、研究が進められている。
- 半減期が比較的長い(100.1年)
- 放射線はβ線のみ (α線とγ線は出さない)
β線を電力に変換する技術がある。発生できる電力が弱いため一般的な電力需要には難しいが、心臓ペースメーカーやセンサー類など、弱い電力でも動作できるものへの応用が研究されている。
法規制
2類戦略物資であるため1類戦略物資ではないが、大量破壊兵器(WMD)製造に利用可能とされており、監視対象となる物質ではある。
日本でも、研究に利用されることがあるが、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(放射線障害防止法)に放射性同位元素としての定めがある。
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