ニッケル56
読み:ニッケル-ごじゅうろく
外語:56 Ni
ニッケル
の
同位体
の一つ。
核融合
で作られる最大の
原子核
である。
目次
情報
概要
特徴
Ia型超新星
二重魔法の同位体
情報
記号:
56
Ni
原子番号
: 28
質量数
: 56 (
陽子
28、
中性子
28)
天然存在比: ‐
半減期
: 6.077日
比放射能
: 1.42×10
17
(14京2000兆Bq/g)
比放射能の逆数: 7.05×10
−18
崩壊
の種類:崩壊後生成物
EC崩壊 →
56
Co
主な由来
恒星内での
珪素燃焼過程
(
52
Fe +
4
He →
56
Ni)
56
Cu (β
−
崩壊) 半減期未詳
概要
恒星の
核融合
の経路に存在する同位体である。
恒星内では最後となる反応、
珪素燃焼過程
での生成物の一つで、中でもその最後の生成物となる。従って、これが作られた時点で、珪素燃焼過程の
アルファ反応
は終了し、後に待つのは
重力崩壊
と
超新星爆発
である。
ニッケル56はβ
+
崩壊でコバルト56に崩壊、コバルト56もβ
+
崩壊で鉄56に崩壊する。このため、鉄56の存在量は鉄のうち91.754%にもなり、宇宙では比較的ありふれた元素となっている。
また、
極超新星
が超新星爆発する際(
r過程
)でも大量に作られる。
特徴
Ia型超新星
Ia型超新星
の親星となる
白色矮星
は、恒星時代の核融合反応で作られた炭素と酸素から構成されている。それぞれの主要な安定同位体は
炭素12
と酸素16で、両同位体は共に同数の陽子と中性子を持つ。
このため、超新星爆発のさいに合成されるも、陽子と中性子が同数になりやすく、中でも多く作られるのがニッケル56である(陽子数=中性子数=28)。
ニッケル56は上述の通り、
56
Ni→
56
Co→
56
Feという崩壊経路を経て、半減期約3ヶ月で鉄56に変わる。
二重魔法の同位体
陽子数28、中性子数28が共に
魔法数
である二重魔法の同位体である。
この同位体自体は不安定な核種ではあるものの、これよりり小さい質量数の核種は安定性が急激に低下するため、その境界となる核種であるとも言える。
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