健康診断 |
辞書:科学用語の基礎知識 医学・用語編 (BMEDY) |
読み:けんこうしんだん |
品詞:名詞 |
病気の早期発見治療を主な目的に、疾病の有無に関わらず、身体を検査をするもの。特定の疾病を検査するものは検診と呼ばれ区別される。
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概要 |
身体測定、X線検査、血液検査、尿検査、が主な検査項目である。
一般健康診断は数時間で終わるため、午前中に終わらせることも可能。40代以上になると短期人間ドックなどでより多くの箇所を検査するが、これもおおむね午前中に終わる。50代以上ではさらに脳ドックが追加されることもある。
値段は上がるがより本格的な精密検査である人間ドックと呼ばれる検査もあり、半日、一日、一泊など様々なメニューがある。
定義では、採血の10時間前から食事をやめ、この状態で測定した数値を血糖値とする。従って前日夜からは食事を絶つ必要がある。つまり健康診断は実際に受診する前日から、すでに始まっているともいえる。
検査項目 |
()内は、成人男性の基準値の例である。年齢や身長・体重等で変化することもあるので、表記は参考値とする。健康診断結果報告書には、検査した人の基準値が必ず記載される。
一般健康診断では行なわず、人間ドックや、別途検査を依頼した場合のみの検査項目も含まれる。
身体計測 |
計測器やメジャーで直接計測する。
標準体重は、年齢・身長・体脂肪率などから算出される理想の体重である。
目 |
計測器で計測する。
一般健康診断では視力のみ調べる。短期人間ドックでは、眼圧や眼底は必要に応じて実施する。
健康診断の場合、視力は、矯正視力を測る場合は裸眼視力を測らない(時間が掛かるので)。
耳 |
計測器で計測する。
聴力の基準値は、年齢により変動がある。老齢ほど聞こえにくくなるため、基準値も高めに変化する(例えば40代では、上から基準値が+5dBとなる(500Hzなら35dB以下)など)。
通常は、1000Hzと4000Hzのみを25dBで検査する。
聞こえない場合は、難聴の基準である90dB程度まで音量を上げることが多いようである。
身体障害者福祉法では、両耳が70dB以上または、片方90dB以上もう片方が50dB以上で障害者6級と認定される。
肺 |
肺活量計で計測する。一般健康診断では行なわない。
肺の容積や機能などを正確に調べるためにはスパイロメーターを使うが、若干安全性に懸念があり、一般健診でスパイロメーターを使うことは希である。
血液検査(一部尿検査) |
実際に血を抜いて検査する。一部、血液検査でないものも含むが、それは注記を入れる。
直接ビリルビンと黄疸指数は、一般健康診断では行なわれない。
一般健康診断では行なわれないが、HBとHCの計3種類は、短期人間ドックで実施することがある。
血液中の成分をみて、腎臓の状態を調べる。腎臓の検査だが、これは尿からではなく血液から見る。
血液中の成分をみて、膵臓の状態を調べる。
一般健康診断では血清アミラーゼのみ調べる。
血清アミラーゼやリパーゼは膵炎発症時などに定期的に調べるが、尿アミラーゼは正確な値を出すことが難しいため、殆ど調べない。調べる場合、尿アミラーゼのみ尿検査で調べられる。これは、輸液などをした場合、尿が薄まってしまい本来の値が出ないからである。
血液中の成分をみる。
一般健康診断や短期人間ドックではNa/K/Clのみ調べる。
血液と尿の成分をみる。尿糖は尿検査で、それ以外は血液検査である。
一般健康診断や短期人間ドックでは空腹時血糖/尿糖と、HbA1c(NGSP)のみ調べる。それ以外は糖尿病の検査などをする際に行なう。なお、糖尿病かの診断は、血糖値とHbA1cを使う。尿検査での尿糖の値は糖尿病の判断基準ではない。
血液中の尿酸量を測る尿酸代謝検査。
尿酸量は痛風だけでなく、脳梗塞などにも影響を及ぼす。
血液中のコレステロールや中性脂肪など脂質を測る脂質代謝検査。
一般健康診断や短期人間ドックでは総/HDL/LDLコレステロールと中性脂肪のみ調べる。
血漿中に存在する蛋白質を調べる。血漿中蛋白の多くは、アルブミンと、α/β/γの各グロブリンであり、これを検査する。
一般健康診断や短期人間ドックでは行なわない。
一般健康診断や短期人間ドックでは行なわない。
一般健康診断では白血球数のみ測る。短期人間ドックでは血沈、RF、CRP、RPR法、TPHA法などが調べられる。
いわゆる血液検査である。
一般健康診断では、全血比重/TIBC/UIBC/網状赤血球の検査は行なわない。
一般健康診断や短期人間ドックでは行なわない。
一般健康診断では行なわない。短期人間ドックで、幼若球と異型リンパ球を除いて検査することがある。
胃検診で実施する。略して「ペプシ」だがコーラとは関係ない。
一般健康診断や短期人間ドックでは行なわない。
検尿(尿検査) |
出した尿を調べる尿検査である。試験管に採尿した朝一の尿を検査するのが理想的とされるが、病院で採尿する場合もある。学校検尿の場合、学校で採るのは無理があるので、家庭で朝一の尿を採って学校で回収するのが一般的。
腎疾患や尿道の疾患などを調べる。
一般健康診断や短期人間ドックでは、ビリルビン/ケトン体の検査は行なわない。
なお、上記では比重1.002とあるが、実際には1.010が下限とされており、1.002と出れば通常は低比重尿と判定され腎疾患が疑われる。
尿沈渣とは、尿を顕微鏡で観る検査である。
一般健康診断では行なわない。短期人間ドックでは実施されることがある。
検便(便検査) |
出した大便を調べる検査である。
一般健康診断では行なわれないが、潜血の検査は人間ドックで実施することがある。
循環器(心臓機能) |
良く知られているが、血圧測定では二種類の血圧が測られる。
140/90mmHg以上が測定されると高血圧と診断される。最高血圧が100mmHgを下回ると低血圧である。
また最低血圧が高い、いわゆる「下が高い」状態は動脈硬化が疑われる。下だけ高い場合は高血圧の初期症状とされるが、通常は薬よりも、生活の改善が指導される。
不整脈の有無を検査するもの。
心電図検査では、次のような異常が見いだされる。
その多くは、正常時でも見られることがあり、単独では重篤な異常とは限らない。
心筋はじめ筋肉中の酵素を調べる。
一般健康診断や短期人間ドックでは行なわない。
X線検査 |
一般健康診断で実施する検査は胸と腹部のレントゲン撮影で、年齢により(通常は35歳以上で)バリウム検査がある。
胸のレントゲン撮影である。
両側肺門リンパ節や肺、心臓などの炎症などを確認する。
いわゆる「バリウム」撮影である。炭酸と硫酸バリウムを飲まされた後、言われるままにグルグルとモルモットのように回されつつ放射線を浴びる残念な検査である。
「腹部単純X線写真」と呼ばれる、レントゲン撮影である。
近年は超音波検査やCTなどが普及したため、件数は減っているらしいが、検査の基本とされており今も重要視されている。
「バリウム」や「胃カメラ」などを実施する場合は実施しない。
大腸のX線検査である。
使う装置は胃のバリウム検査とおなじで、違うのはバリウムが口から入るか肛門から入るかである。
胃内視鏡検査 |
いわゆる「胃カメラ」である。
潰瘍やがんのほか、胃炎、あるいはピロリ菌感染などを調べることができる。
病院により、全身麻酔するところと、局所麻酔で患者に映像をライブ中継(?)するところとがある。
一般健康診断では、バリウム検査(通常は35歳以上で)の代わりに実施できることがある。
腹部超音波 |
いわゆる「エコ−」。胆嚢、肝臓、腎臓、膵臓、脾臓などを見ることが多い。
一般健康診断では行なわない。短期人間ドックでは実施されることがある。
直腸診 |
直腸診とは、医師が手袋をして患者の肛門に指を挿入し、肛門や直腸下部をまさぐって病変がないかを探る検査である。
指が届く範囲であれば周辺の臓器、男性なら前立腺、女性なら子宮の腫瘍も分かる。
一般健康診断では行なわない。短期人間ドックでは実施されることがある。
婦人化検査 |
女性のみの検査。乳がん検診。
その他 |
一般健康診断では行なわない検査。
骨密度は、特に高齢女性の人間ドックで検査される。
ピロリ菌は、胃カメラを飲む場合などに検査される。
リンク |
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