X線バリウム造影剤。
- 組成式: BaSO4
- 分子量: 233.43
- 密度: 4.5g/cm3(ICSC)、4.3g/cm3(MSDS)
- 融点: 1600℃(分解)(ICSC)、1580℃(分解)(MSDS)
- 沸点: (該当資料なし)
- CAS番号: 7727-43-7
- ICSC番号: 0827
- 官報公示整理番号(化審法番号): 1-89
- 外観: 白色または帯黄色の結晶か粉末で、無臭、無味
- 結晶形: 斜方晶系の板状または柱状晶
- 溶解性:
- 水に不溶 (ICSC、MSDS)
- 熱濃硫酸に可溶 (MSDS)
主として医薬用(X線造影剤)として使われる。
また、塗料、プラスチック、蓄電池等への応用もある。
天然には、硫酸バリウムの結晶である重晶石(mineral barite)として存在する。
胃のレントゲン撮影で飲まされる「バリウム」とは硫酸バリウムであり、この天然の石を砕いて作られる。
純粋なものは無色の結晶だが、一般的には鉄、マンガン、ストロンチウム、カルシウム等不純物を含んでおり、黄褐色または黒灰色を呈した、半透明な鉱物として得られる。
従って、一般的には重晶石を砕いたものをそのまま使うのではなく、純度を高めるための精製をする。
水に殆ど溶けない。また胃液や腸液でも溶解せず、消化管から吸収されることがないため毒性はなく安全とされている。
しかし、そのまま体内に放置すると腸内で固まってしまい、消化管に穴が開くことがある。消化管に穴が開き、腹膜炎を併発するなどして死亡する例が、年に数例あるとされる。特に高齢者は危険とされる。
健康診断の際には、下剤が渡されるか、あるいは最初から下剤入りのバリウムを飲まされ、検査後はさっさと排泄されるよう配慮される。検査当日は、水分を多めに取り、その日は積極的にバリウムを排泄する必要がある。
- 化学物質管理促進法(PRTR法): 該当しない
- 毒物及び劇物取締法: 該当しない
- 労働安全衛生法: 該当しない
- 引火点: (該当資料なし)
- 発火点: (該当資料なし)
- 爆発限界: (該当資料なし)
- 刺激
- 腐食性: (該当資料なし)
- 刺激性: (該当資料なし)
- 感作性: (該当資料なし)
- 毒性
- 急性毒性: (該当資料なし)
- 慢性毒性: (該当資料なし)
- がん原性: (該当資料なし)
- 変異原性: 小核;マウス(生体内・腹腔内);陽性
- 生殖毒性: (該当資料なし)
- 催畸形性: (該当資料なし)
- 神経毒性: (該当資料なし)
- 規制値
- 一日許容摂取量(ADI): (該当資料なし)
- 暫定耐用一日摂取量(PTDI): (該当資料なし)
- 急性参照値(ARfD): (該当資料なし)
- 暴露許容濃度(TLV): 10mg/m3(TWA) (ACGIH 2004)
- 最大許容作業濃度(MAK): 4mg/m3(吸入性画分)、1.5mg/m3(呼吸性画分) (DFG 2004)
- 分解性: (該当資料なし)
- 蓄積性: (該当資料なし)
- 魚毒性: (該当資料なし)
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バリウム